SEAnews 2006-05-24 ArtNo.37758

【ビューデリー】東南アジア諸国連合(ASEAN)は5月29日にシンガポールで催されるはずだったインドとの自由貿易協定(FTA)協議を一方的に中止した。
ビジネス・スタンダードが5月23日伝えたところによると、ASEAN側は中止の理由として、インドが991品目のネガティブ・リストの削減を拒絶したことを挙げている。しかしインド政府は「一方的な中止通告は受け入れられない」との声明を発表した。それによると、ネガティブ・リストは主要な問題ではなく、インド側は同リストの削減を受け入れる用意があると言う。
ネガティブ・リストの品目は関税引き下げの対象から除外されるが、インド商工省は最近の貿易経済関係委員会(TERC:trade and economic relations committee)会議の席上、ネガティブ・リストを991品目から850品目に削減する権限を認められた。
しかしインド政府筋によると、パーム油／茶／コーヒー／胡椒を含む16農業品目は如何なる関税削減の対象にも含まれておらず、ネガティブ・リストの縮小は、ASEANの要求に応えていない。マレーシア／インドネシア／ベトナム／ミャンマー等のASEAN加盟国は、ASEANとインド間の主要貿易品目でもあるパーム油／茶／コーヒー／胡椒／天然ゴムの輸入関税引き下げを要求している。
これに対してインド側はASEANが上記16品目に対する関税率割当(TRQ:tariff rate quotas)を認めるよう求めている。TRQは、輸入の上限を設定し、同上限を超えた場合には、追加関税を課すと言うもので、インドの商工省と農業省は今週会合しTRQ問題を協議する。一案としてTRQを過去3年間の平均輸入量の10％に設定することが検討されていると言う。