2006-04-07 ArtNo.37515
◆IT企業、バンガロールからハイデラバードにシフト
【ハイデラバード】カルナタカ州Bangalore拠点の情報技術(IT)企業は、インフラストラクチャーが整備されたアンドラプラデシュ州Hyderabadで事業を拡張することを検討している。
エコノミック・タイムズが4月5日報じたところによると、3日バンガロールを訪れたアンドラプラデシュ州のYS Rajasekhara Reddy首席大臣は、良好なインフラ、産業界にフレンドリーな政府、各種投資奨励措置等、バンガロールと対比してハイデラバードの優位性を強調、投資を呼び掛けた。
Reddy首席大臣のバンガロール訪問は、Infosysが125億ルピー(US$2.8億)を投じて国内最大のデベロプメント・センターをハイデラバードに設ける方針を決めたのと踵を接して行われた。Infosysは先週、アンドラプラデシュ州政府と関係協定に調印、同州政府は550エーカーの土地を確保することを約束した。州政府筋は、Infosysのプロジェクトが呼び水になり、より多くのIT企業がハイデラバードに進出するものと期待を表明した。InfosysのTV Mohandas Pai重役は調印式の席上、「ハイデラバードは全ての点でバンガロールに勝っており、恐らくインドで最インフラが整備された都市」とコメントした。
ハイデラバードは2月には、バンガロールとの競争に勝ち、総投資額30億米ドルのインド初のメガ半導体ウエハー製造プロジェクト、『Fab City』の誘致に成功した。SemIndiaと関係覚書を交換した州政府は、ハイデラバード国際空港開発予定地付近の1200エーカーの土地を同プロジェクトに割り当てた。
一方、世界最大のマイクロプロセッサー・メーカー、Intelは、韓国企業Intellect Incが6億米ドルを投じてアンドラプラデシュ州に設ける別のウエハー・ファブ事業に出資するとともに、技術パートナーを務めることを約束した。
韓国を代表する自動車会社Hyundaiは2日、25億ルピー(US$5598万)を投じてハイデラバードに研究開発(R&D)センターを設ける方針を決めた。
Reddy首席大臣によると、バンガロールのインフラには綻びが生じているが、ハイデラバードは急成長を遂げている。3億2000万米ドルの国際空港プロジェクトは進捗を見ており、市の外郭には160キロの環状道路が建設され、14億米ドルの地下鉄プロジェクトの国際入札も募集された。アンドラプラデシュ州内の投資は過去2年間に2倍に増加している。
インド経済監視センター(CMIE:Centre for Monitoring Indian Economy)の統計によると、2006年1月のアンドラプラデシュ州における投資額は7539億1000万ルピー(US$168.81億)と、マハラシュトラ州の1兆200億ルピー(US$228.39億)、グジャラート州の7869億6000万ルピー(US$176.21億)に次ぎ、全国3位にランクされた。またアンドラプラデシュ州は過去2年間に969億7000万ルピー(US$21.71億)の情報技術(IT)投資を誘致、2004-05年のIT輸出額は19億米ドルに達した。同州は2009年までに年間150億米ドルのIT輸出実現を目指している。
ウエハー・ファブ施設の建設に伴いハードウェア産業の成長も加速される見通しで、州政府は既にハードウェア・パーク開発用に5000エーカーの土地を確保していると言う。
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