2006-03-15 ArtNo.37379
◆Essar Steel、アーク炉から高炉方式にシフト
【ムンバイ】Essar Steel Ltd(ESL)は年間キャパシティーを83万トンに拡張するに当たり、高炉(blast furnace)を導入、現在のアーク炉(EAF:electric arc furnace)方式から鉄鋼製造技術の主要な転換を図る。インドの主要鉄鋼メーカーは、国営のSteel Authority of IndiaとRashtriya Ispat Nigamから民間のTata Steel、JSW Steel、Ispat Industriesに至るまで何れも高炉を用いているが、ESLはこれまで高炉を用いて来なかった。
エコノミック・タイムズが3月13日伝えたところによると、ESLは、グジャラート州Haziraに設けた鉄鋼プラントの年間製造能力を460万トンから534万トンに拡張する。拡張計画のコストは570クロー(US$1.28億)前後と見積もられ、ESLは内部余剰金で賄うものと見られる。
ESLは175クロー(US$3918万)を投じて目下5つ目のアーク炉を増設中で、同工事が完成すると、Haziraプラントのキャパシティーは460万トンに達する。アーク炉は大量の電力を必要とし、このためESLはガス火力発電プラントを設けているが、ガスの供給不足に直面している。
新規導入する高炉は輸入コークス用炭を燃料に用いるものと見られる。ESLは145クロー(US$3247万)を投じて年産50万トンのコークス炉を増設する。高炉のコストは300クロー(US$6717万)以上で、業界筋によると、トン当たりコストは6800ルピー前後と見積もられる。
拡張計画には、昨年韓国のINI Steelから買い取った中古スラブ鋳造機(slab caster)を用いる。この他、5つ目の海綿鉄プラントと年産120万トンの焼結炉もHaziraに増設する。これら2施設のコストは80クロー(US$1792万)と見積もられる。さらに、473クロー(US$1.059億)を投じて、HBI(hot briquetted iron)の第5、第6モジュールを増設、175クロー(US$3918万)を投じて30MW(メガワット)の複合サイクル発電プラントも建設する。また専用の埠頭とヤードも設ける。
以上の拡張計画が完成すると、金利税償却控除前利益(EBIDTA:earnings before interest, depreciation, taxes and amortisation)が年間600クロー(US$1.34億)拡大、トン当たりの鉄鋼製造コストも150ルピー下降する見通しと言う。
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