【バンガロール】かつてのSemiconductor Complex Ltd(SCL)の管理を引き継いだ宇宙局(DOS:Department of Space)は、向こう18ヶ月間にSCLを再建、世界の0.35ミクロン・マップにプレゼンスを築く計画だ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが1月14日報じたところによると、インド宇宙調査機構(ISRO:Indian Space Research Organisation)会長も務める宇宙局(DOS:Department of Space)のG. Madhavan Nair次官は同紙に以上の抱負を語った。それによると、ISRO内部の需要に基づくチップ製造の他、新技術の研究や戦略プロジェクトに照準を合わせる。Chandigarh拠点のSCLはもともと電子工学局(DOE:Department of Electronics)傘下にあったが、2005年11月にDOS傘下の自主運営組織『Semiconductor Laboratory(SL)』として再登録された。
インドではこれまで電子工学が軽視されて来た嫌いがあるが、DOSは同領域に照準を合わせ、SCLの施設を利用して戦略的コンポーネントを製作する。目標は自給自足(self-reliance and self-sufficiency)体制を実現すること。
DOSは0.35ミクロン・テクノロジーを採用するため、新技術と最先端の設備を導入し、SCLの既存施設をアップグレードする必要があるものと見られる。世界の半導体産業は、0.9/0.8/0.65ミクロン技術から0.35ミクロン、いわゆる35ナノ・テクノロジーに急速に移行しつつある。この種のレベルに到達するには、10億米ドルの何分の1かの投資を行い、新ファブを設ける必要がある。
宇宙事業には直接関係ないが、宇宙事業の効率を高めるのに必要な調査研究任務を務められるようSCLを変身させるため、DOS及びISORの内部や外部の科学者を糾合した専門家委員会が既に組織され、SCL再建計画の立案や必要投資額の見積もり進められていると言う。
半導体チップはそれ自体、宇宙プロジェクトに用いられる輸入コンポーネントの15~20%を占める。Nair氏によると、これらのものは商業的に手に入れることができるが、長期的見地に立てば、独自の技術を開発するのが望ましい。
SCLの600人のスタッフは、Indo Asian Fusegear Ltd(IAFL)向け電気メーター、光学送電機器、電光掲示板等の他、VLSI(very large scale integration)サーキット、鉄道/通信/産業用製品、DOS/Bhabha Atomic Research Centre(BARC)/国軍向け重要コンポーネント等の製造を手掛けている。
赤字経営のSCLの最後の売上げは50クロー(US$1120万)だったたが、Nair氏によると、年商10億~30億米ドルも夢ではない。ケララ州Thiruvananthapuram拠点のVikram Sarabhai Space Centre (VSSC)が設計したチップを外国のファンドリーで製造したところ良好な性能が確認された。このことは国内の人材がこの種の設計を行う能力を備えていることを証明している。したがって製造も国内で行うなら、夢は現実になると言う。