【ニューデリー】Ram Vilas Paswan鉄鋼相は11月28日の国会下院における答弁の際、クロム鉱の輸出を禁止する可能性を示唆した。
インディアン・エクスプレスが11月29日、Paswan鉄鋼相の国会答弁を引用し報じたところによると、インドは年間300万トンのクロム鉱を生産し、200万トンを国内消費している。このため年間100万トンを輸出することができるが、将来に向けた資源保護の観点から必要と判断されれば、輸出を禁止する。
鉄鋼省が組織した専門家Dang氏を長とする委員会(expert Dang Committee)が最近同省に提出した最終報告書は、クロム鉱を希少資源とし、妥当な管理がなされないなら20年で枯渇する可能性があると警鐘している。政府はDang委員会の報告書を検討し、必要なら『全国鉱物資源政策(National Mineral Policy)』を立案すると言う。
しかし国内鉱物資源業界はクロム鉱の全面的な輸出禁止は、国内における値崩れを招くと反対している。インド鉱物産業連盟(FIMI:Federation of Indian Mineral Industry)は鉄鋼省に提出した陳情書の中で「クロム鉱の国内価格は高い輸出価格により支えられている。したがって輸出を禁じればこうした恩恵は享受できなくなる」と述べている。