2005-11-16 ArtNo.36712
◆US$48億貨物専用鉄道計画実現に向け特殊会社設立
【ニューデリー】インド政府は見積もりコスト2万2000クロー(US$48.67億)の高速貨物専用鉄道『フレート・コリドー(freight corridor)』プロジェクトを進めるため、2006年3月までに特殊会社(SPV:special purpose vehicle)を設立する。
ビジネス・スタンダードが11月14日報じたところによると、SPVの負債/自己資本比率は、『Delhi Metro Rail Corporation』に倣って70:30になるものと見られる。鉄道省筋によると、プロジェクトは、2006-07年度事業計画に組み込まれ、来年度予算に盛り込まれる可能性がある。既存のRail Vikas Nigamがプロジェクトの推進母体を務めることも可能だが、同社は余りに多くの事業を手掛けており、新たにSPVを設けるのが、妥当なオプションと言える。SPVは1万5400クロー(US$34.07億)を借り入れることができ、残りは自己資本で賄う。
国営の石炭/鉄鋼/電力会社がSPVに出資する可能性がある。これらは何れも現状で予想されるシナリオだが、実際の方針はRail India Technical & Economic Services(RITES)の事業化調査報告書を待って下される。国際協力銀行(JBIC)の借款に関しても、日本国際協力事業団(JICA)が報告書を提出した後に決定される。JICAチームは2週間前に当地を訪れ、事業化調査のための初のデータ収集活動を行っており、報告書を完成させるまでに、さらに何度か同種の調査活動を行うものと見られる。SPVの準備活動は、JAICAの報告書が完成される以前に開始されるものと予想される。JBICはプロジェクト・コストの全額もしくは3分の1を融資する見通しだが、融資方式にはいくつかのオプションが考えられ、その点もJAICAの報告書が完成後決定される。
RITESとJAICAの事業化調査の調査課題の1つには、フレート・コリドーを既存の路線上に設けるか、新しい路線にするかと言う点が含まれるものと見られる。既存路線上に設けるなら、大規模な土地収用等、行政上の多くの障害を回避できる。このためプロジェクトを短期間に立ち上げることができる。しかし全く新たなコンセプトの下に最先端の貨物専用高速列車を設けると言う当初の目的達成は難しくなると言う。
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