SEAnews 1995-10-25 ArtNo.3654

【シンガポール】インドネシアのコングロマリット、シナル・マス・グループの紙／パルプ事業持ち株会社アジア・パルプ＆ペーパーCo Ltd(APP)はシンガポールに地域本部と製造拠点を設け、域内事業の拡張を本格化する。
ＡＰＰのテッド・ビリンスキー重役(ED)が先週語ったところによると、5万平米の用地の賃借やオフィス・ビル及び工場の建設に関する交渉は最終段階を迎えている。オフィス・ビルにはＡＰＰの営業／研究開発(R&D)／投資等の部門が収容され、工場では紙製の事務用品が製造される。これらが稼働するとＡＰＰの当地スタッフは現在の40人から150～200人に増員される。
今年初ニューヨーク証取上場を目指した公募で3億1100万米ドルを調達したＡＰＰは傘下にジャカルタ証取上場企業2社－－ＰＴパブリク・クルタス・チウィ・キミア及びＰＴインダ・キアット・パルプ＆ペーパー・コーポレーションを擁する。
ＡＰＰはまた7500万米ドルを出資した寧波のボックス・ボード工場に新たに4億2000万米ドルを追加投資する計画で、同拡張計画が完成する来年第4四半期には同工場の年間製造能力は10倍の40万トンに達する。これに伴いＡＰＰの中国における紙工場3社の営業額は現在の6000万米ドルから3億1000万米ドルに拡大する。
またインドのマハラシュトラ州における2億米ドルの製紙工場計画も今月初めに同州当局の認可を得ており、来年6月に試運転を開始、初年度に1億7500万米ドルの営業額を見込んでいる。
ＡＰＰ傘下のインドネシア、中国、インドの13工場の年間製造能力はパルプ120万トン、紙／ペーパーボード150万トンで、資産は55億米ドル。95年6月末締め半期純売上は10億米ドル、純益は前期の670万米ドルの赤字から1億2770万米ドルの黒字に転換したと言う。(ST:10/24)