SEAnews 2005-10-14 ArtNo.36507

【ランチ】ジャールカンド州における1200万トンのメガ鉄鋼プロジェクトを準備するMittal Steel Corporation(MSC)は、年産600万トンの巨大高炉を2基据え付ける可能性を検討している。
エコノミック・タイムズが10月13日報じたところによると、ミタル・グループがTata一族の伝統的なホーム・グランドにおいてメガ・プロジェクトを成功させるには、独創的な戦略を展開する必要がある。ジャールカンド州首席大臣公邸における覚書調印式後、世界で最もコスト効率の良い鉄鋼メーカーを自負するLakshmi Nivas Mittal氏は、「我々はその種のオプション(巨大高炉の建設)を検討する必要がある」と語った。現在年産600万トンの高炉は世界的に2基存在するに過ぎず、一つは中国のBao Steelが、もう一つはロシアのSeverstalが、それぞれ所有している。メガ高炉は単位当たりのコストを低く抑えることができ、品質面で妥協することなく、世界的にトップ・クラスのコスト効率を実現できるかもしれない。
しかしLakshmi氏の子息で、ＭＳＣの社長兼CEOを務めるAditya Mittal氏は、その種の大型高炉の導入に疑問を表明した。Aditya氏によると、高炉は数年後にはメンテナンスを必要とするため、第1期工事でたった1基の高炉を設ければ、その際には全面的に操業を停止せねばならなくなる。そのような事態を回避するため、各300万トンの高炉2基を設けることが考えられる。一般にも高炉の最適なサイズは300万～400万トンと考えられている。しかしAditya氏は、200万トン程度のミニ高炉を多数設ける、もう一つのオプションを示唆した。
このためハイ効率なミニ高炉が多数設けられる可能性と、巨大高炉が設けられる可能性が共に存在するが、世界中の非効率な政府経営鉄鋼プラントを買い取り、世界で最も効率的な鉄鋼プラントに生まれ変わらせた実績を有するLN Mittal氏は、最終的に最も妥当な方策を見出すものと見られる。