【アーマダバード】Indian Petrochemicals Corporation Limited (IPCL)はグジャラート州Gandharのガス・クラッカーの年産能力を30万トンから36万5000トンに拡張したが、天然ガス供給の逼迫から一層の拡張には慎重になっているようだ。
ビジネス・スタンダードが9月1日伝えたところによると、IPCLの親会社Reliance Industries Limited(RIL)はこの他、グジャラート州Vadodaraに年間処理能力13万トンのナフサ・クラッカーを、マハラシュトラ州Nagothaneに同40万トンのガス・クラッカーを保持する。
Gandharプラントのキャパシティーはデボトルネッキングにより40万トンに拡張でき、RILはさらに50万トンに拡張する可能性も検討している。しかし、Gandharガス田の埋蔵量が底をつき、天然ガスの供給確保が困難なことから、一層の拡張には慎重になっている。その実、Gandharプラントは、しばらく前から天然ガスと輸入プロパンを併用している。
IPCLオフィシャルによると、Gandharのエチレン・クラッカーのキャパシティーを拡張できたのは、ガス処理施設のエタン・プロパン回収ユニット(EPRU:ethane and propane recovery unit)のキャパシティーを9 mmscmd(metric million standard cubic meter of gas per day)から11 mmscmdに拡張したことによる。しかしGandharガス田の供給量は不十分で同社は輸入したプロパンもエチレン・クラッカーの原料として利用している。
Gandhaガス田のガス埋蔵量は当初9mmscmdと見積もられていた。ガス・クラッカーも同見積もりをベースに設計されたが、Gas Authority of India Ltd (GAIL)が1992年にOil and Natural Gas Corporation (ONGC)からガス供給業務を引き継いだ後、同見積もりは5mmscmdに下方修正された。現在IPCLのGandharプラントはGandharガス田から1.5mmscmdもしくはそれを下回る供給を受けているに過ぎない。このためHazira-Gandharガス・パイプラインから別途6mmscmdのガスを調達しているが、それでもエチレン・クラッカーが必要とする量の40%に過ぎない。不足分は輸入プロパン等により補う他ない。しかし輸入プロパンはハイコストで、季節的な価格変動も激しい。こうしたことから観測筋は、Krishna Godavari海盆ガス田の生産が軌道にのるまで、RILがGandharエチレン・クラッカーの一層の拡張を見合わせるものと予想している。