2005-07-20 ArtNo.35952
◆地場IT企業、Basel II導入に乗じ金融市場開拓
【バンガロール】自己資本に関する新バーゼル合意『Basel II』の実行に伴い銀行界は統計数値のモニターやワークフローの自動化等の面で新たなシステムを導入せねばならない。このためInfosys、i-flex、Ivega等の地場情報技術(IT)企業がその恩恵を享受する見通しだ。
インディアン・エクスプレスが7月18日伝えたところによると、Meridien Researchはこの種の潜在市場を180億米ドルと予想、IBSは800億米ドルと見積もっている。
Basel IIは金融サービス部門のリスク管理に関する新基準で、スイスのBaselを拠点にする国際決済銀行(BIS:Bank for International Settlements)傘下のバーゼル銀行監督委員会(Basel Committee on Banking Supervision)により立案された。
某信用格付け会社の銀行市場アナリストは、「Basel IIを実行すれば銀行や銀行業務関連製品会社は新ソリューションの開発や既存ソリューションの改良を必要とし、IT領域に新たな投資を行うことになる。そのビジネス機会は極めて大きいが、銀行業務に通じたIT企業のみがこの種の機会をものにすることができる」と語った。
IT企業にとっての機会は、リスク管理、データベース、フロント・オフィス政策決定ツール、データの収集・追跡・監視・分析、報告等の領域に存在する。電子貸付(e-lending)、電子請求書の発行・決済(EBPP :electronic bill presentment and payment)、複数口座の一括管理(account aggregation)等は既に銀行界に広く普及している。その他の新技術には、ウェブ・サービス、チャンネル&カスタマ・セントリシティー、エンタープライズ・インテグレーション、STP(straight through processing)等が挙げられる。EBPPは米国では既に一大潮流と化しており、インドでも急速に普及している。
Tata Consultancy Services Ltd(TCS)、Infosys、i-flex等は、独自の銀行業務ソリューションを提供しており、既に海外市場を開拓している。TCSは、Institute for Development and Research in Banking Technology (IDRBT)と共同でウェブ対応のモジュラー・ソフトウェア“Structured Financial Messaging System (SFMS)”を開発した。同ソフトウェアはPunjab National Bank、Bank of Maharashtra、Canara Bank 等により採用されている。
インドの銀行IT市場には多くの牽引力が存在する。例えば国営銀行の5万店以上の支店網の内、約4000店が全面的にコンピューター化されており、6961店が部分的にコンピューター化されている。銀行界のこうしたコンピューター化の動きは、地元IT産業に膨大なビジネス機会を提供していると言う。
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