【ニューデリー】鉄鋼製品需要の国際的な低迷で製品在庫が急増する中、Steel Authority of India Ltd (SAIL)が6月31日、トン当たり500~2000ルピーの値下げを発表したのに続き、7月1日にはTata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)、Essar Steel Ltd(ESL)、Ispat Industries Ltd(IIL)も製品価格を7~8%下方修正すると発表した。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、インディアン・エクスプレス、エコノミック・タイムズ、ザ・ヒンドゥー、デカン・ヘラルドが7月2日報じたところによると、Tiscoはブランド鋼板価格を最大トン当たり3000ルピー・カット、ESLは国内製品価格を5~8%即日引き下げ、IILも7%前後の値下げを発表した。
SAILの値下げは7月1日から発効、同社スポークスマンは、国際市況の変動、取り分け中国の需要低迷に伴う暫定的な価格調整と述べている。同社は、国際鉄鋼価格は1~2ヶ月内に安定し、その時には価格を再度上方修正することができると見通している。
中国が過熱した国内経済鎮静策の一環としてインドからの鉄鋼製品輸入を縮小したことが、需要軟化の主因とされているが、国内需要の成長基調は、建設ブーム、インフラ開発支出の拡大、自動車産業の活況等に支えられ、維持されるものと見られている。
インドの鉄鋼生産量は2003-04年の3500万トンから2006-07年の3800万トン、20011-12年の5200万トンに成長する見通しで、鉄鋼各社は国内需要の成長を見越して何れも設備拡張を計画している。
TISCOは2010年までにその年産能力を1500万トンに拡大、SAILは2011年までに現在の1100万トンから2000万トンに、Rashtriya Ispat Nigam Ltdは現在の300万トンから2020年までに1000万トンに、それぞれ拡張する計画だ。