1995-10-18 ArtNo.3583
◆<星>スンバワン、一連の企業買収でUS$5億借り入れ
【シンガポール】フィリップ・ヨー会長の指導下に一連の企業買収計画を進めるスンバワン・コーポレーションは更に多くの企業買収と投資計画に充当するため5億米ドルの借り入れを計画している。
これまで借り入れに依存せぬ健全経営で定評のあったスンバワンは最近シュローダーズ(シンガポール)とJPモルガン・セキュリティーズ(ロンドン)に、それぞれSドルと外貨建てローンの組成を依頼した。同借款は中期ローンとされ、償還期間は5年以内と見られる。
スンバワンは目下船舶修理ビジネスへの依頼軽減を図っているが、アナリストらはあまりに多くの領域に、急進出を図る同社の積極戦略に懸念を表明している。某証券会社のアナリストは、「問題は投資収益だが、これまでのところそれほど成果を上げていない」と指摘する。加えて借り入れに伴う高金利も覚悟せねばならない。同社は現在インターネット・サービス、食品、通信、TVプログラムのディストリビューション、化学品卸売り、産業自動化、運輸、レジャー/リゾート、不動産、建設、リーシング、工業パークの開発等を手掛け、最近は政府系上場会社のリソーシズ・デベロプメント・コーポレーションを買収するとともに、傘下のファースト・キャピタル・コーポレーションを通じ、食品会社ヨー・ヒャップセン(YHS)の買収計画にも参加した。YHS買収計画の機関車を務めたキャマリンは、同計画が不成功に終わった後、YHSが手掛けているペプシコーラのシンガポールにおけるフランチャイズ権の獲得やマレーシア企業キアン・ジューの買収を狙っている。ペプシ/キアン・ジューの権益取得だけでスンバワンは1億Sドルの投資を必要とするが、インドネシアのビンタン島及びカリムン島におけるリゾート・ビラ/工業パークの開発や中国福建省における発電事業への投資にも現金が必要とされる。米国の建設会社ベクテル社に率いられるコンソーシアムにより進められる総額7億米ドルの福建省州湾における発電事業は主に借り入れで賄われ、モルガン・スタンレーがローンのアレンジを引き受けている。(BT:10/17)
|