SEAnews 2005-06-29 ArtNo.35820

【ムンバイ】インド白物市場の古参プレーヤー、Whirlpool、Godrej、Electrolux、Videocon等は、競争力有る価格、迅速な技術革新、マーケッティング・パワーを梃子に攻勢に転じた韓国企業LG及びSamsungの前に、防戦を強いられている。
エコノミック・タイムズが6月27日、伝えたところによると、Whirlpoolの冷蔵庫市場におけるシェアは2002年の26％から2005年の21％に下降したが、ＬＧのシェアは同19.8％から29％に、Samsungは同7.3％から11％に、それぞれ拡大した。またWhirlpoolの洗濯機市場におけるシェアは、同期間に20％から13％に下降したが、対照的にＬＧのシェアは同24.3％から35.4％に拡大、Samsungのそれは12～14％のレベルを推移している。
市場観測筋は「米系Whirlpoolと欧州メジャーElectroluxの世界的な事業再編が韓国企業のインドにおける勢力伸長につながった」と指摘する。韓国企業は幅広い製品を紹介するとともに、ボリュームを拡大しているが、Whirlpoolは設備能力にゆとりが有るにも関わらず、新モデルの投入やボリュームの拡大が思うに任せぬ状況にある。また競争が過熱する中で、GodrejやWhirlpoolのトップ管理職が相次いで退職している。Whirlpoolは、こうした中、ムービー・スター、KajolやAjay Devganをブランド大使に指名、広告予算も拡大、ブランド・イメージの強化に乗り出している。
冷蔵庫／洗濯機／エアコン等の家電製品価格は底入れし、2005年1月以来上昇に転じている。LG、Samsung、Godrej、Whirlpool等は6～10％の値上げを行っており、プロモーション活動も下火になっている。SamsungのR Zutshi重役(DMD)は、今年は家電製品市場における50％の成長を目指すと、意気軒昂だが、業界筋は、家電市場の折角の上昇基調が、値上がりにより冷却するのではないかと懸念している。家電製品市場の成長は過去7年間4～6％のレベルを超えることがなかった。提案されているElectroluxインド・ビジネスの買収を通じ、地元企業Videoconは、農村部に強力なブランド・エクイティーを有するKelvinator及びAllwynを手に入れることになる。