1995-10-17 ArtNo.3570
◆<馬>アナリスト、新年度予算案の景気過熱抑止効果に疑問
【クアラルンプル】英連邦競技会は景気過熱阻止を目指す新年度予算案の諸施策を鈍らせる要因になりそうだ。
マレーシア政府は1998年9月に開催される英連邦競技会を成功させるため、数多くのインフラ・プロジェクトを加速している。これらには90億Mドルの新首都空港、5億5000万Mドルのスポーツ・コンプレックス、20億Mドルのクアラルンプル・シティー・センターが含まれ、この他数億ドルの軽便鉄道やハイウェー・プロジェクトも加速されている。アンワル副首相兼蔵相は10月27日に新年度予算案を国会に上程するが、アナリストは副首相が景気過熱阻止のために利用できる武器は決して多くないと評している。この他の主要プロジェクトには150億Mドルのバクン水力発電事業、200億Mドルの新行政センター、16億Mドルのシンガポールとの第2リンク(大橋)等が挙げられ、加えてシンガポールを通じた中継輸出を縮小するため、国内港湾の整備も加速されねばならない。アンワル副首相は最近有る種の非優先的プロジェクトの実行を見合わせる考えを明らかにしており、この種のプロジェクトとしては、廃棄物処理場の建設、水供給事業、非幹線道路等が考えられるが、アナリストらは景気を冷却化させるには不十分と見ている。(ST,BT:10/16)
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