SEAnews 1995-10-17 ArtNo.3568

【シンガポール】プリント基板(PCB)業界の中小業者は原料や主要部品の深刻な不足から、休業もしくは廃業の危機に直面している。
台湾や香港では過去半年間に少なからぬ中小企業が営業停止に追い込まれており、当地ＰＣＢラミネート・メーカーのアライド・シグナル・ラミネート・システムズのＬＨウォン営業課長によると、シンガポールのＰＣＢメーカーも電子産業需要が急増する最中に、低調な操業を強いられている。シンガポールには60社を超えるＰＣＢ製造業者や組立業者が存在し、これらには証取上場のペンテクス・シュワイザー・サーキッツ、ベンチャー・マニュファクチュアリング、シンガトロニクス、ＰＣＩが含まれる。大手企業も品不足を恐れてＰＣＢラミネートや半導体等の主要部品を大量にストックしているが、こうした動きが事態を一層深刻化させている。しかし独自のＰＣＢ組立ラインを有するセスダック登録のマルチメディア企業アズテク・システムのマイケル・マン社長は大部分の部品は確保しており、実際のところ、品不足は価格維持の面で同社に恩恵を及ぼしていると語った。品不足はハイエンド・ラミネートの原料となるファイバー・グラスやコパーフォイルにも波及、ファイバー・グラスは過去1年間に40％値上がりした。アナリストによれば、大手企業はコスト上昇を顧客に転嫁できるが、中小企業のマージンは3～5％縮小しており、元々薄利のこれらの企業は、営業停止の瀬戸際に立たされていると言う。(BT:10/16)