SEAnews 2005-06-03 ArtNo.35658

【ニューデリー】インドの繊維製品輸出は現在の120億～130億米ドルから2010年までに3倍の400億米ドルに拡大するものと見られる。
インディアン・エクスプレスが6月1日報じたところによると、インド綿製造業者連盟(ICMF:Indian Cotton Mills Federation)のDK Nair事務局長はこのほどロイター通信に以上の見通しを語った。
インドは糸、布地、衣料品等の繊維製品を主に米国、カナダ、メキシコ、ノルウェー、欧州連合(EU)に輸出している。繊維産業はインドの輸出売上の4分の1に貢献するとともに、3500万人に就業機会を提供している。貿易割当制度が撤廃されたのに伴い、国内繊維業界は品質の改善に努め、新型機械に積極的に投資している。このため産業規模も現在の360億米ドルから2010年までに850億米ドルに拡大する見通しだ。
新年度(2005-06)予算は、繊維機械とポリエステル長繊維(PFY:polyester filament yarn)の輸入関税をカット、国内繊維産業の競争力を強化した。
中国とＥＵの繊維貿易紛争は、インドの繊維輸出にさしたる影響を及ぼさず、同紛争の成り行きに関わりなく、インドの繊維輸出は今後大幅に拡大するものと予想される。世界の繊維貿易に占めるインドのシェアは現在の4％から2010年までに2倍に拡大するものと見られる。
繊維機械に対する国内需要の急増も予想され、メーカーがこうした需要に迅速に応じるのは極めて難しい。例えば現在紡錘を発注しても、納入されるのは2年後になる。とは言え全てのバリュー・チェーンはおさまるべきところにおさまり、品質と供給量は改善する。繊維産業は現在直接に3500万人、間接に4700万人に就業機会を提供しているが、2010年までに同数字は1億2000万人に拡大する見通しと言う。