2005-05-09 ArtNo.35495
◆Chatterjee氏、US$57億でBasell買収
【ムンバイ】Haldia Petrochemicals Ltd(HPL)のプロモーターも務めるインド人実業家Purnendu Chatterjee氏は、ニューヨーク拠点の複数のプライベート・エクイティ・ファンド(Private equity fund)と手を結び、Basell Polyolefinsを44億ユーロ(US$57億)で買収した。インド資本による初の国境を跨いだレバレッジド・バイアウト(LBO:leveraged buyout)で、インド資本の海外における企業買収としても過去最高額と見られる。
エコノミック・タイムズが5月6日報じたところによると、取引は4日遅く、これまでBasellのプロモーターを務めて来たBASFとRoyal Dutch/Shellが米国の圧力に屈して、イランのNational Petrochemicals Company(NPC)の再建案を蹴った後を受けて、ロンドンで成立した。
Merrill Lynchが、買収機関車に30億~33億ユーロの高金利融資をアレンジ、残りの10億~13億ユーロはパートナーらが自己資本で賄う。借入はBasellのキャッシュ・フローを通じて償還される。
オランダを拠点にする年商67億ユーロのBasellは、5ヶ国に20工場を擁し、約6600人を雇用、世界最大のポリプロピレン・メーカーとして知られる。そのキャパシティーは合弁事業も含めると800万トンにのぼる。ポリエチレンの製造能力も250万トンと、欧州最大で、強力な研究開発(R&D)部門を擁し、同社の特許技術は世界の自動車産業等により広く採用されている。
Chatterjeeグループがプロモーターを務め、西ベンガル州Haldiaを拠点にするHPLは、これ以前からBasellの技術を採用して来たが、今回の取引により大きな恩恵を享受する見通しだ。またChatterjeeグループは、Basell買収により、Ambani一族のReliance Industries Ltd(RIL)と、石油化学市場の支配権を争うことになる。
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