SEAnews 2005-04-29 ArtNo.35453

【ヴィサカパトナム】Visakhapatnam Steel Plant(VSP)を傘下に収める国営製鉄会社Rashtriya Ispat Nigam Ltd(RINL)は、鉄鉱石の安定供給を確保するため国営鉱山会社National Mineral Development Corporation (NMDC)と合弁を組む可能性を検討している。
ビジネス・スタンダードが4月27日伝えたところによると、ＶＳＰは現在年間580万－600万トンの鉄鉱石を必要としているが、拡張計画を実行すれば2008年までに鉄鉱石の必要量はほぼ2倍に拡大する。ＶＳＰのY Siva Sagar Rao会長兼ＭＤによると、独自の鉄鉱山を保持するなら鉄鉱石の調達コストは20－30％下降する。また大規模な鉄鋼メーカーが鉄鉱石の供給を外部の鉱山に依存するのは長期的に好ましくない。
このため同社はキャプティブ鉱山の獲得を目指し、過去2年にわたり適当な鉱山を物色して来た。オリッサ州とチャッティースガル州の鉱山に目星をつけたものの、両州政府の反応が消極的なことから、これは棚上げした。次いでアンドラプラデシュ州の低品質鉱山を手に入れる可能性を研究したが、同州政府は、民間企業に鉱業権を与えてしまった。
そこで今ではＮＭＤＣ傘下のチャッティースガル州Bailadilla鉱山に注目している。ＮＭＤＣは同鉱山からＶＳＰに鉄鉱石を供給しており、供給量はＶＳＰの需要を十分満たしている。ＮＭＤＣはBailadillaに新たな鉱山を開発することを目下計画しており、そのコストは500クロー(US$1.148億)と見積もられる。ＶＳＰは合弁で同開発計画を進めるよう働きかけている。プロジェクトの詳細プロジェクト・レポート及び事業化調査レポートは既に完成している。
ＮＭＤＣ筋によると、同社は新鉱山を開発する資金を保持しているが、ＶＳＰの合弁提案も検討していると言う。ＮＭＤＣは2004－05年にはBailadilla鉱山から1750万トンの鉄鉱石を出荷、前年の1630万トンを上回った。
ＮＭＤＣは2005年3月期年度に、ＶＳＰに584万9000トン、Hy-grade Pellets Limitedに405万1000トン、Minerals and Metal Trading Corporation (MMTC)に476万5000トン、Ispat Industries Limitedに120万6000トン、Vikram Ispat Industriesに57万7000トンの鉄鉱石を供給した。また約80万トンを中国に輸出したと言う。