【ニューデリー】燐酸二アンモニウム(DAP:di-ammonium-phosphate)の製造を手がける公共民間部門の企業や協同組合は燐酸の調達難から5月以降操業停止に追い込まれる見通しだ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが4月17日報じたところによると、インドの燐酸消費業界と国際サプライヤーの交渉は決裂し、次回の会合の日程も決まっていない。譬え今日方針が決まっても、工場に原料が届くのは5月末か6月初になるため、操業を停止する以外、選択の余地がない。
肥料業界筋によると、Oswal Chemicals and Fertilisersは既にDAPの製造を停止している。4月及び5月を通じ燐酸が入荷される予定はなく、新規注文を行ってもインドの港湾に荷が届くのは4~6ヶ月後になると言う。
昨年の交渉では、燐酸のトン当たり価格は402米ドルに設定され、肥料業界に対する補助は750クロー(US$1.72億)増額された。しかし今回オファーされた価格はトン当たり488米ドル、インド業界が必要とする量は225万トンにのぼる。加えて譬え488米ドルの価格を受け入れても供給量は150万トンに過ぎない。インドは年間500万トンの燐酸を消費しており、内50%を輸入している。
国内燐酸製造業者も原料の燐灰石不足に直面している。インドは十分な燐灰岩資源を保持しない。昨年政府は塩化カリ(muriate of potash)に対する補助を85%、DAPのそれを20%増額したが、今年はDAPに対する補助をさらに20%上乗せする必要がある。
インド肥料協会(FAI:Fertiliser Association of India)筋によると、Tata Chemicalsのマネージング・ディレクターに率いられる“燐酸消費者グループ(Phosphoric Acid Consumer Group)”と国際サプライヤーの交渉はFAIオフィスで催された。しかしFAIは同話し合いに関与していない。カリフ(kharif:初冬収穫作物)シーズンの播種は6月半ばに開始されるが、DAPの生産停止は全国的に深刻な肥料不足を生じさせると言う。