【ニューデリー】総額30億米ドルのDabhol Power Company (DPC)の地元債権金融機関により新設された特殊会社(special purpose vehicle)、Gas and Power Investment Company (GAPIC)は約6億米ドルのＤＰＣ海外債務の買取を図っており、交渉は間もなく妥結する見通しだ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが4月14日、政府筋の言として報じたところによると、Industrial Development Bank of India(IDBI)やState Bank of India(SBI)が中心になって最近設立されたGAPICは、社債の発行を通じて資金を調達、海外債権者から債権の買い取りを図る。
インド政府は、プロジェクトの再開を目指す地元債権者に保証を提供することを認めた。外国債権者はその債権を地元債権者に売却することを認めるとともに、貸付額の25％削減にも応じる姿勢を見せている。ABN Amro Holding NVやBank of Americaに率いられる海外債権者の債権の処理は、ＤＰＣプロジェクトを再開するための第1ステップと言える。
しかGeneral Electric (GE)とBechtelの出資をどう処理するかが最大の問題で、ＧＥとBechtelはEnronの65％の持ち分を買い取った後、ＤＰＣの85％の権益を握っている。
地元債権者に率いられる交渉チームは、ＧＥ／Bechtelチームが倒産したEnronの全持ち分を買い取るのを傍観したとして、中央政府の避難を浴びている。政府筋によると、地元交渉チームは明らかに、不意をつかれた。ＧＥ／Bechtelチームは当初20％の権益を保持していたに過ぎず、そのレバレッジ・パワーは取るに足りないものだった。しかし今や同チームはＤＰＣの85％の権益を手に入れている。地元交渉チームが海外債権を全て買い取ったにしても、ＧＥ／Bechtelチームとの交渉を妥結させるのは至難の技である。
地元交渉団はＧＥ／Bechtelチーム及び米国の海外ハイ・リスク事業融資機関Overseas Private Investment Corporation(OPIC)と、出資者の権益処理問題を話し合って来た。
エコノミック・タイムズが4月14日伝えたところでは、地元交渉団は、ＧＥ／Bechtelチームの85％権益買取交渉を進めている。Milon Banerjee検察長官が13日最高裁に報告したところによると、地元交渉団とＧＥ／Bechtelチームの話し合いは極めてデリケートな段階を迎えている。
ボンベイ高裁は、マハラシュトラ電力監督委員会(MERC:Maharashtra Electricity Regulatory Commission)がＤＰＣとマハラシュトラ州電力局(MSEB:Maharashtra State Electricity Board)の紛争を処理する権限を有すると裁定したが、ＤＰＣはこれを不服として最高裁に上訴した。この日の最高裁における審理の席上証言したBanerjee検察長官によると、地元債権者から成る交渉団が、ＤＰＣ外国出資者との話し合いを妥結させる望みは大きい。過去3年間にわたり操業を停止している発電所が再編され、再稼働することは、全ての方面に恩恵を及ぼす言う。
ＤＰＣは、その訴えの中で、「ＤＰＣとＭＳＥＢの契約には裁定条項が存在するため、ＭＥＲＣに裁定を委ねる以前に、先ず同裁定条項を復活させねばならない」と主張している。