1995-02-02 ArtNo.353
◆<星>小売り業者、サービス犠牲にした人員削減案に不同意
【シンガポール】ST紙は最近シンガポールの消費者の大多数が顧客サービスを重視していないことから、大型小売店は配員計画に再考を加えるべきだする、とタマセック・ポリテクニックの調査報告を紹介したが、大型小売店の多くは、顧客サービスを犠牲にしてまで収支改善のために人員を削減する考えはないようだ。
タマセク・ポリの調査によると、サービスを最重視する買い物客は、価格重視の36%、商品種重視の20%、店舗立地の利便性重視の20%に対して、12%にすぎなかった。しかし、ST紙が取材した大型小売店の多くはこの調査結果に異議を唱えた。例えば、ギャレリーズ・ラファイエットのGM、クリストフ・カン氏は「扱う商品が高級品であればあるほど、顧客サービスは重要」と述べ、レーン・クロフォードのGM、アイリーン・バイグレーブ女史も「顧客サービスを常に最優先している。他のコストに比べて人員コストがどれほど大きくなっても、投資する価値はある」と断言した。大丸も「利益よりサービス」をモットーにしているという。また求人競争と給与上昇の悪循環を断つべきだとの指摘には大多数の大型小売店が同意したものの、同時に人手不足のおりには給与アップもやむを得ないとの矛盾する姿勢を示した。多くの大型小売店は目標を下回る人員数で営業しており、店員370人を抱える高島屋シンガポールも、依然として50人足りないとしている。伊勢丹は過去3年間、必要人員の60%で営業を続けきたと言う。(ST:1/31)
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