【ハイデラバード】アンドラプラデシュ州における海綿鉄の日産能力は2000トン前後だが、この内900トンは今年に入ってから追加されたもので、向こう7-8ヶ月間にさらに1000トンの製造能力が追加される。
ビジネス・スタンダードが3月29日報じたところによると、海綿鉄製造施設の工期は8ヶ月前後、投資の環流に要する期間は18~24ヶ月と見積もられ、石炭の供給逼迫に関わらず、州内の海綿鉄工場建設ブームは今後一層過熱する見通しだ。
アンドラプラデシュ州の州都Hyderabad周辺には、海綿鉄を原料として用いる二次鉄鋼メーカーがひしめいている。Vinayak SteelsのVinod Kedia重役(MD)によると、ハイデラバードは市場と石炭供給源に隣接しており、鉄鉱石はオリッサ州やカルナタカ州から取り寄せねばならないものの、海綿鉄産業に有利な立地条件が備わっている。
海綿鉄、もしくは直接還元鉄(DRI)は、技術度の低いアーク炉(electric arc furnace)や誘導炉(Induction Furnace)をベースにした二次鉄鋼メーカーにより基礎原料として使用されている。これらの二次鉄鋼業者はメタル・スクラップも原料にしている。
ハイデラバードを拠点にするSponge Iron and Power ConsultancyのK S N Murthy取締役によると、鉄鋼生産に占める二次鉄鋼メーカーのシェアは2002-03年の37.64%から2003-04年の41.54%に拡大した。このため海綿鉄産業の見通しは明るい。Joint Plant Committeeは近い将来調整期を迎えると予想しているが、価格が元の水準に戻ることはなく、元の水準と現在の水準の中間にとどまると見ている。
Kedia氏によると、州内に存在する30社前後の二次鉄鋼メーカーの内、独自の海綿鉄製造施設を有するものは3社か4社に過ぎないが、石炭の供給さえ確保されるなら、ほとんど全てのものがキャプティブ海綿鉄工場を増設、総合的鉄鋼メーカーに自らをアップグレードするものと見られる。
今年申請された海綿鉄プロジェクト16件中12件が認可され、内6ユニットが既に稼働している。
Sajjala Iron and Steel Private LimitedのS Divakar Reddy重役(MD)によると、同社はBellari付近に日産100トンの海綿鉄工場と4MW(メガワット)の複合発電施設を建設中だが、海綿鉄産業の先行きは向こう10年変化しないものと見ている。Vizag Steel等の一次メーカーは、原料として海綿鉄を使用し始めており、新たな需要が生じている。目下のところ海綿鉄1トン当たりの生産コストは5000~6000ルピー、これに対して市場価格は1万1300~1万1600ルピーと言う。