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1995-10-13 ArtNo.3519
◆<星>住宅市場軟化で上場企業の業績見通しに陰影
【シンガポール】シンガポール住宅不動産市場の軟化は、長期にわたり不動産開発から高収益を享受してきたシンガポール証取(SES)上場企業の収益基盤に深刻な衝撃を及ぼすものと見られる。
住宅価格は過去2年間に2倍に跳ね上がり、いずれの企業も未使用の土地や使用中の土地に豪華コンドミニアムを建設して莫大な利益を享受してきた。DBS証券のアナリストは、工業銘柄のスンバワンからサイクル・アンド・キャリッジに至るまで多くの企業がこの種の棚ボタ的利益に浴して来たが、1996年以降はこれらの銘柄の収益予想から不動産開発収益を除去する必要が有るだろうと指摘する。これはかなりドラマチックな変化で、これら銘柄の株価収益率(PER)は現在の17倍から20倍に跳ね上がるものと見られる。
不動産コンサルタント、ジョーンズ・ラング・ウートンによると、住宅不動産価格は93年に46.7%、94年に29%、今年上半期に12.6%の上昇を見たが、今年第3四半期には5~10%に鈍化した。香港方面の要因も含め需要が当初の予想を大幅に下回っていることから多くのアナリストは向こう18カ月間に住宅不動産価格は15~25%の値下がりを見ると予想している。
こうしたダウンターンは先ず不動産銘柄を直撃、その後ほとんど全ての銘柄に波及するものと見られる。例えば食品飲料会社フレーザー&ニーブの94年の税引き前利益2億9000万Sドルの内、1億3400万Sドルは不動産開発とセールに伴うもので、95年には3億7700万Sドル中2億1000万Sドル、96年には4億7300万Sドル中2億5000万Sドルが不動産関連の収益と予想されている。このため将来の予想収益から不動産収益を取り除いた場合、工業銘柄の現在の株価は非現実的と言えるほど割高になると言う。(BT:10/12)
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