【広州】宝山鋼鉄股分有限公司(Baoshan Iron and Steel Co Ltd)を傘下に収める中国最大の鉄鋼グループ、宝鋼集団公司(Baosteel Group)は、鉄鉱石の安定供給確保を目指しインドに投資する可能性を検討している。ちなみにインドは中国にとって第2の鉄鉱石供給源。
インディアン・エクスプレスが3月11日伝えたところによると、宝鋼のYu Zhonghai取締役(国際ビジネス開発部)は10日催された中国鋼鉄工業協会(China Iron and Steel Association)セミナーの会場でロイター通信に以上の消息を語った。それによると宝鋼は今月ニューデリーに事務所を設け、地元パートナーと合弁を組む事業化調査を実施する。
Yu氏は、「鉄鉱石を手に入れるためにインドに投資する可能性を検討している」、「我々は国際市場における鉄鉱石の供給を掌握すべく努めており、インドに投資する機会が存在するかどうか、見通しは立たないが、とにかく可能性を追究して見る」、「宝鋼は既にインドから鉄鉱石を輸入している。仮に投資するとすれば、現地のパートナーと手を組む」等と語った。
Yu氏は現地パートナーの社名に言及しなかったが、インドでは国営のNational Mineral Development Corp、Kudremukh Iron Ore Co Ltd、Sesa Goa Ltd等が鉄鉱石の開発を手がけている。宝鋼は既にブラジルの鉄鉱山会社Companhia Vale do Rio Doce (CVRD)とブラジルで鉄鉱石の開発を手がける合弁契約を結んでいる。
中国は2004年に2億800万トンの鉄鉱石を輸入したが、最大の輸入先はオーストラリアで7816万トン、以下2位インド5014万トン、3位ブラジル4603万トンと続く。宝鋼は目下のところスポット市場でインド産鉄鉱石を購入している。
CVRD、Rio Tinto Ltd/Plc、BHP Billiton Ltd/Plc等の国際鉱山会社は4月から鉄鉱石の供給価格を71.5%引き上げると通告しており、中国の鉄鋼メーカーは鉄鉱石確保に腐心している。