2005-02-16 ArtNo.35000
◆外貨準備のインフラ事業への運用で特殊会社を近く設立
【ニューデリー】インド政府は、外貨準備を運用して経済的採算性(economically viable)は見込めるものの財政的に実行不能(not financially workable)なインフラストラクチャー・プロジェクトを支援するため、近く特殊会社(SPV:special purpose vehicle)を設立する。
エコノミック・タイムズとビジネス・スンタンダードが2月12日報じたところによると、これは計画委員会(Planning Commission)のMontek Singh Ahluwalia副委員長の当初提案に修正を加えたもので、新年度予算案の国会上程前に正式に発表される見通しだ。
Ahluwalia氏は、向こう3年間に1200億米ドルの外貨準備の内、毎年50億米ドルをインフラ事業に充当し、インフラ産業の資金不足を補うよう提案した。外貨準備はこれまで低配当の米国財務証書に投資されて来た。インフラ・プロジェクトは懐妊期間が長く投資収益率は低いが、米国財務証書よりは高い投資収益が望めると言う。
これに対してP Chidambaram蔵相は、「外貨準備は財政的に健全なプロジェクトにのみ投資すべきだ」との条件をつけた。しかし計画委員会は「財政的に健全な公共プロジェクトであれば、様々なソースから資金を調達でき、外貨準備に依存する必要は初めからない」とし、そのような条件をつけることに反対した。Ahluwalia氏は自身の当初の提案に依然固執しているものの、2つの理由からSPVを設けることに反対しない方針を決めたようだ。第1に大規模な公共プロジェクトに直ちに外貨準備を投入する必要があること。第2に同氏が選んだメンバーの計画委員会がインフラ・プロジェクトを選考するものと見られること。
インフラ・プロジェクトに投入する外貨準備の額は総財政支援(GBS:Gross Budgetary Support)案に盛り込む必要があるため、SPVはどうしても予算案が国会に上程される前に設置する必要がある。APJ Abdul Kalam大統領も最近、銀行業界の会議に出席した際、外貨準備をインフラ・プロジェクトに充当することを支持する発言を行ったと言う。
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