【ムンバイ】国営火力発電会社National Thermal Power Corporation (NTPC)は、事業多角化計画の一環として、Nuclear Power Corporation of India (NPCIL)と、原子力発電事業に進出する可能性を協議している。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが1月26日伝えたところによると、年商2万6000クロー(US$59.72億)のNTPC幹部は過去6ヶ月間に3度にわたり、NPCIL代表と会談、同問題を話し合った。原子力法(Atomic Energy Act)の下、政府所有企業のみが原子力発電を行うことができ、これまでインドにおける原子力発電はNPCILが専ら手がけて来た。NPCILオフィシャルによると、同社はNTPCに新規原子力発電計画に出資するとともに、スタッフに原子力発電所の経営に必要な訓練を施すよう提案したと言う。
NPCILは4カ所に8つの核発電所を設けることを計画しており、2007-08年までに原子力発電能力を現在の2倍以上の7000MW(メガワット)に拡大することを目指している。
一方、現在2万1000MW以上の発電施設を保持するNTPCは、過去2四半期、これまでにまして積極的に原子力発電のオプションを研究しているが、業界観測筋はこうした動きに懐疑的だ。インド政府はこれまでNPCIL以外の企業が原子力発電を手がけることを認めて来なかった。全国民主連盟(NDA:National Democratic Alliance)前政権は、原子力発電事業への民間の参入を認める可能性を研究したが、統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)現政権は、未だその種のアイデアに目を向けていない。
NTPCは中央政府が承認した『2017年事業計画(Corporate Plan 2017)』の下、水力発電と原子力発電に参入する方針を明らかにしている。同報告書によると、石炭の採掘コストと輸送コストの上昇で、10年後には石炭火力発電所のユニット当たり電力コストが4ルピーに上昇、一般国民の手の届かないものになってしまう。原子力発電は依然としてハイコストなオプションだが、NPCILが経営する個々の原子力発電所の設備能力は1995-96年に60%、2001-02年に85%の成長を記録したと言う。