2005-01-12 ArtNo.34817
◆新食品加工政策、生産量と輸出量を2倍に拡大目指す
【ニューデリー】インド政府は、向こう5年間に加工食品の生産量と輸出量を何れも2倍に拡大することを目指し、『2005年全国食品加工政策(NFPP:national food processing policy)』草案を作成した。
インディアン・エクスプレスが1月10日報じたところによると、食品加工産業は過去10年間年率7.1%の成長を遂げたが、向こう5年間には7.3%の成長達成が目指される。過去5年間に加工食品輸出は7%の成長を見、農業産品輸出全体の約70%を占めたが、加工食品取引全体の1%を占めるに過ぎない。向こう5年間の輸出成長率は2倍に加速する必要がある。遅々とした成長速度は産業基盤、取り分け農業の脆弱さに起因している。小規模産業のために留保された6領域の指定を解除する必要がある。食品加工産業の年間生産額は28万クロー(US$643.09億)と、製造業生産全体の14%を占めるが、依然として揺籃期にある。
原料生産物の余剰、ライフスタイルや嗜好の変化、可処分所得の増加を背景に食品加工産業が7.3%の成長を実現するのは難しくない。世界貿易の重心は一次産品から加工食品にシフトしているが、インドの輸出貿易には不均衡が見られる。
先進国においては加工食品と生鮮食品の価格差は合理的範囲にとどまっており、時には生鮮食品の価格が加工食品を上回る場合さえ存在する。しかしインドでは加工食品は生鮮食品に比べ遙かに高額である。税の撤廃、中間流通経路の短縮、包装コストの引き下げ等の努力が必要とされる。例えばマハラシュトラ州Nagpurのオレンジやウッタルプラデシュ州Malihabadのマンゴーは収穫期には過剰が生じるが、加工に適した品種が少ないことから加工産業の成長にはつながっていない。
こうしたことからNFPPは、民間部門の市場参加を認める州法の改正、契約農業、農業改良普及事業(agricultural extension services)への民間の参加、大規模食品小売業者やマーケットを通じた農産品の買い付け、収穫後管理・洗浄・等級付け・包装・貯蔵の改善等、諸施策を提案している。
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