【ムンバイ】公共民間部門の主要鉄鋼メーカーは、2005年のスタートに当たり各種製品価格をトン当たり500-1200ルピー引き上げた。
エコノミック・タイムズ、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ザ・ヒンドゥーが1月3/4日伝えたところによると、Steel Authority of India Ltd (Sail)は鋼板の工場出荷リスト価格を5%、Essar Steel Ltd(ESL)とIspat Industries Ltd (IIL)は同3-5%、それぞれ引き上げた。
SAIL筋によると、同社の場合、熱間圧延コイル(HRC)のトン当たりリスト価格は2万4600ルピーから2万5800ルピーに、冷間圧延コイル(CRC)のそれは2万6000ルピーから2万7300ルピーに、それぞれ上方修正した。条鋼製品も3%ほど値上げされ、建設現場で用いられるTMT(thermo mechanically treated)バーのトン当たり価格は2万2700ルピーから少なくとも2万3300ルピーにアップした。しかし農村で屋根葺きに広く用いられている亜鉛鍍金波板(GCS:galvanised corrugated sheet)の価格は据え置いた。この種の鋼材は津波の被害を受けた地域における需要が今後予想される。
主に鋼板の製造を手がけるESL/IIL/Jindal Vijaynagar Steel等の民間鉄鋼メーカーは、トン当たり700-800ルピー値上げした。これらの企業は12月にトン当たり350-500ルピー値上げしたため、今回の値上げ幅は、SAILのそれを下回っている。
HRCの値上がりは、CRCおよび亜鉛メッキ鋼の価格に直接影響する。後者は自動車産業と耐久消費財産業により、また条鋼製品は建設業界において主に使用されており、自動車/耐久消費財メーカーはコスト上昇分をエンド・ユーザーに転嫁するものと見られる。鉄鋼価格は、小型乗用車価格の7%、冷蔵庫価格の5%、アルマーラ(almirah:鉄製洋服ダンス)価格の16%を占めている。小型乗用車は1台当たり約850キロ、冷蔵庫は同15キロ、アルマーラは同50キロのスチールを使用している。
SAILオフィシャルは値上げの理由としてコスト上昇を指摘した。業界筋によると、冶金用コークスは25%値上がり、鉄鉱石価格も同レベルの上昇を見た。日本の鉄鋼メーカーとオーストラリアのBHP Billitonは、コークス用炭のトン当たり価格を125米ドルに設定することで合意したが、オーストラリアの炭坑会社とアジアの鉄鋼メーカーは以上の価格をベンチマークにしている。国際市場における鉄鉱石の長期供給価格は少なくとも25%アップするものと見られる。インド最大の石炭/鉄鉱石サプライヤー、National Mineral Development Corporationも20%ほど値上げするものと予想される。
ビジネス・スタンダードが1月5日伝えたところでは、Tata Iron and Steel Company Ltd(Tisco)オフィシャルは近い将来値上げする可能性を否定、OEM顧客に対する供給価格については3月末まで据え置くと語った。しかし同社は非OEディストリビューター向けに関しては、GCS価格をトン当たり2000ルピー、CRC価格を同600ルピー、それぞれ引き上げている。