2004-12-20 ArtNo.34739
◆Reliance Info、US$9億不良債権を投資会社に移転
【ムンバイ】Reliance Infocommは2003年にCDMA携帯電話サービスを開始後、アグレッシブにサービスの拡張を図って来たが、その付けは4000クロー(US$9.046億)に膨張したもようだ。
エコノミック・タイムズが12月17日、消息筋の言として伝えたところによると、同債権はベールに包まれた投資会社に安全にしまいこまれている。Reliance Industries Ltd(RIL)トップの消息によると、2004年3月末に約435クロー(US$9837万)が帳簿抹消された後、余す約3500クロー(US$7.91億)の債権はSmart Entrepreneur Solutions(SES)に移転された。Reliance Communications Infrastructure (RCIL)の某子会社がSESを所有している。RILが45%出資するRCILは、Infocommの持ち株会社で、光ファイバー幹線網を所有、データ・サービスを提供している。RCILは直接間接にInfocommの65%のシェアを握っている。
Infocomm筋によると、Infocommはマーケッティング、料金請求、集金に関わる契約をRILと結んでいたが、同契約は破棄された。従ってRILのバランスシート上にInfocommの不良債権が顔を出すことはない。携帯端末の販売と、料金の徴収は異なるビジネスであり、異なる企業が手掛けている。こうしたことは今日通常のビジネス・プロセスになっている。Infocommの業績がRILの帳簿上に現れないと言うのは、RILの株主には良いことと言える。
不良債権の大きな部分は2003年7-8月に実施した“Monsoon Hungama”に伴うもので、同スキームの下、Infocommの携帯電話契約者の数は僅か数ヶ月間に200万人から700万人にジャンプした。当時、RILはInfocommとの契約に基づきマーケッティング、セールス、流通、料金請求、集金を引き受けていた。大量の新規顧客が料金を滞納したことから不良債権は異常な額に達したが、RIL経営陣は同債権をグループ他社に移転、2004年3月末のバランス・シート上に開示する義務を回避した。
当時3500クローの不良債権が移転されたSESの授権資本は10万ルピー(US$2261)に過ぎなかった。数日前にRILが発表したところでは今日SESはRCILの子会社になっている。SESがRILの不良債権を如何なる額で、また如何なる条件により購入したかは定かでないが、SESはRCILからの借入により支払いを行ったものと見られる。RCILにはRILが45%、Mukesh Ambani会長とその一族が45%、それそれ出資している。
Infocommが2003-04年に3000クロー(US$6.78億)前後の売上と595クロー(US$1.346億)の営業利益を計上したにも関わらず、390クロー(US$8820万)の純損失を計上した主因は、435クローの不良債権を帳簿抹消したことと見られる。グループ売上は10万クロー(US$226.14億)前後だった。
最近明らかにされた以上の事実は、グループの会計方式に対する疑問を生じさせ、RIL株主に対する開示時期の適切さが問われるものと見られる。RILはInfocommのプロジェクトに1万5000クロー(US$33.92億)を投資しているにも関わらず、こうした不良債権の実態は一般にもRIL株主にも開示しなかった。そればかりでなくこうした不良債権はInfocommやRCILのバランス・シート上に現れず、小規模な投資会社のバランス・シートにのみ記載されている。SESはまた2004年10月11日にSynergy Entrepreneur Solutionに社名を改めた。
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