SEAnews 2004-12-10 ArtNo.34677

【ニューデリー】ダイキン工業が100％出資するDaikin Airconditioning India Ltd (DAIL)は、インドに本格的な製造施設を設ける計画を暫時棚上げした。
インディアン・エクスプレスとエコノミック・タイムズが12月9日報じたところによると、ＤＡＩＬのハヤシ・トシユキ重役(MD)はこのほど以上の方針を明らかにした。2000年にSiel Aircon Ltdの80％の権益を買収、地元パートナーShriram Groupとの80：20の合弁会社Daikin Shriram Airconditioning Ltdを設立したダイキン工業は、先月さらに20％の権益を3.5クロー(US$79万)で買い取り、完全出資子会社ＤＡＩＬとした。
ハヤシ氏によると、ダイキン工業は当初フルスケールの製造施設を設けることを計画したが、3年を経た今、その機は熟していないと判断した。複雑な税制と厳しい労働法が状況を悪化させている。しかし需要が臨界点に達すると期待される2009年には、製造施設を設ける条件が整うものと見ている。
DAILはまた、ウォーター・クーラー・ブランド“Shriram”を売却する可能性を検討している。ウォーター・クーラーはダイキンのグローバル・ポートフォリオには含まれておらず、ダイキンはウォーター・クーラー・ビジネスの経験もない。しかしウォーター・クーラー・ビジネスの年間売上は20クロー(US$452万)に達し、同社売上に10％ほど貢献、市場シェアも約25％に達している。良好な収益を上げている部門を直ちに閉じる理由はない。同社は手に入れた資産の運用に関しては、製品ラインの拡張も含め複数のオプションを検討している。しかし同ブランドの買収を望むサード・パーティーが存在するなら話し合う用意がある。
ダイキンはインドにおける業務にこれまでに19.5クロー(US$441万)を投資、DAILの年間売上は150クロー(US$3392万)に達している。ダイキンはプレミアム・エアコン市場の40％のシェアを握っている。DAILは向こう3年間に売上を25％アップ、2010年までに400クロー(US$9046万)に拡大することを目指している。中国のエアコン市場が急成長しているのに対し、インドのエアコン市場は安定成長を遂げている。したがってインド市場の開拓はより長期的見地に立って進める必要があると言う。