SEAnews 1995-10-09 ArtNo.3463

【クアラルンプル】ディバーシファイド・リソーシズBhd(DRB)はHicomホールディングズBhdの政府持ち株買収を準備している模様だ。
消息筋によればＤＲＢは政府投資会社のカザナ・ホールディングズBhdの38.55％持ち株及びミニスター・オブ・ファイナンス・インク(MOF)の8.14％持ち株を、17億～19億Ｍドルで買収、Ｈｉｃｏｍの最大の株主に浮上する見通しだ。Ｈｉｃｏｍホールディングズは子会社のＨｉｃｏｍ Bhdを通じて国産車製造元プロトンの27.5％権益、その販売代理ＥＯＮの30.06％権益、クダ・セメントの31.49％権益、ユニフォニクスの27.72％権益、Ｍｗｃｈｍａｒコーポレーションの19.87％権益等を保持しており、ＤＲＢはマレーシア自動車産業の主要プレーヤーになるだけでなく、銀行、金融、通信、不動産開発等の領域でも強力な地歩を築くことになる。ヤハヤ・アハマド会長に率いられるＤＲＢの親会社マスター・キャリッジ・グループは傘下にガデBhdを有する他、ゴールデン・ファロスBhd、イースタン・パシフィック・インダストリアル・コーポレーションBhd(前ｺﾙｹﾞｰﾃｯﾄﾞ･ｶｰﾄﾝ･ﾌﾟﾛﾀﾞｸﾂBhd)等の企業の権益も握っている。ＤＲＢはまた傘下にシトロエン、Iveco、タタ等の車輌製造を手掛けるオートモーティブ・マニュファクチャラーズ(M)Sdn Bhd、プロトン・サトリアの製造／流通を手掛けるウサハサマ・プロトンＤＲＢ Sdn Bhd、三菱製4輪駆動車／トラック／バスの製造を手掛けるユナイテッド・ストレーツ・フソーSdn Bhdを擁する。
ＤＲＢのＨａｉｃｏｍ権益買収に際しては、グループ企業のシェア・スワップを通じた買収、あるいはヤハヤ会長個人の信用・能力を通じた買収と言った方式が考えられる。後者についてはマレーシアン・ヘリコプター社によるマレーシア航空(MAS)の32％権益買収に際してタジュディン・ラムリ同社取締役が先ず個人の身分で中央銀行からＭＡＳ権益を買収した前例が有る。(NST:10/7)