SEAnews 2004-11-08 ArtNo.34477

【コルカタ】Tata Iron and Steel Company Ltd(Tisco)は欧州の鉄鋼メジャーArcelorと、オリッサ州に年産600万トンの鋼板製造施設を設ける計画で、今会計年度中に関係覚書を交換するものと見られる。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが11月5日伝えたところによると、年商260億ユーロのアセローは、L N Mittal氏のIspat Internationalに次ぐ世界第2の鉄鋼グループ。年間4400万トン以上の製造能力を保持する。
ベンガル商工会議所(BCCI:Bengal Chamber of Commerce & Industry)が4日主催した“Metals 2004”の会場で、TiscoのT. Mukherjee重役(deputyMD)が語ったところによると、両社は共同プロジェクトに強い関心を抱いている。アセローは技術と資金を備えており、Tiscoも資金面に問題はない。両社は既に互いの関心を確認しており、覚書は今会計年度末までには調印できるものと見られる。
製品計画等の詳細はまだ詰められていない。Tiscoとしては合弁事業実現に向けた布石として港湾施設の建設を先に進める。Tiscoは10月29日にオリッサ州政府とDhamra港開発に関する覚書を交換した。
アセローと共同でオート・グレード・スチールの製造を手掛けるか否かに関してMukherjee氏は、「幅広い製品を手掛ける。仮にオート・グレード・スチールの製造のみが目的ならジャールカンド州Jamshedpurの既存工場でもできる」と語った。
アセローのステンレス・スチール及び合金部門Imphy Ugine Precision (IUP)のFrancis Vassort会長が最近インドを訪れた際、同氏は自動車産業向け亜鉛鍍金鋼の製造問題をTiscoと協議したとされる。ＩＵＰはJindalグループのSaw Pipesと、IUP-Jindal Hexa Metals Ltdを設立、ステンレス・スチール、ニッケル合金精密鋼帯、その他の付加価値製品の製造を計画している。
アセローはこれ以前に自動車産業向け溶融亜鉛メッキ(HDG:hot dip galvanized)製品の技術ライセンスをTiscoに提供しており、Tiscoはジャムシェドプル工場の連続亜鉛鍍金ラインでＨＤＧ製品を製造する計画だ｡アセローは“Extragal”商標と関係ノーハウの使用も認め、インド自動車産業に対する総合的なスチール・ソリューション提供を約束したと言う。