【ムンバイ】インド最大の鉄鋼メーカー、Steel Authority of India Ltd(SAIL)は来月、鉄鋼製品価格に見直しを加える方針だ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが10月19日伝えたところによると、SAILのV S Jain会長は、Metal Junction-Metal Bulletinが主催した『Indian Steel Conference』の会場で以上の考えを語った。
Tata Iron and Steel Company Ltd(Tisco)が8月末に政府のインフレ抑制に呼応し、トン当たり一律2000ルピーの値下げを発表した際、SAILもこれに追随する形でトン当たり1000ルピー値下げした。
V S Jain会長は、「市場動向に照らして毎月価格に見直しを加えるのはSAILのポリシーであり、今後もそうする。SAILは価格を現状レベルにとどめることを約束していない」と述べた。
Tiscoは2005年3月まで値上げを行わないことを宣言しており、Essar Steel、Ispat Industries、Jindal Iron & Steel Companyは、12月まで価格を現状レベルに維持する方針を明らかにしている。目下、熱間圧延コイル(HRC)のトン当たり国内価格は2万5500-2万6000ルピーとなっている。
業界観測筋は、「国内鉄鋼メーカーは現状レベルに価格を維持するよう圧力を受けており、短期的に現在の価格水準が維持されるだろう」とコメントした。
ちなみにSAILは、今年の輸出量を削減し、国内供給を拡大している。Jain氏によると、昨年の輸出比率は鉄鋼生産量全体の約10%だったが、今年は6-7%前後になる。しかし向こう数年内に同比率を15%に拡大する方針と言う。