1995-10-05 ArtNo.3418
◆<星>百貨店/ショッピング・センターの前途多難:アナリスト
【シンガポール】シンガポール百貨店業界の前途は多難だが、もし百貨店が生存できないならショッピング・センターのオーナーにとっても悪夢という。
米国拠点の小売りコンサルタント、ジャック・シェイファー氏がショッピングセンター国際委員会(ICSC)第3回アジア太平洋年次会議の席上語ったところによれば、ショッピング・センターがアンカー・テナントとして百貨店を必要とすることは、センター・ポイントのロビンソン、ウィスマ・アトリアの伊勢丹、ギーアン・シティーの高島屋等、ショッピング・センターの名以上にアンカー・テナントの名が知られている事実からも窺える。百貨店がアンカー・テナントとして入居しないなら、既存のショッピング・センターがそのスペースを埋めることは困難で、目下建設計画中のものも含めればなおさらである。また現在の小売り市況では、既存の百貨店がクローズした場合、これまで支払われていたのと同等の賃貸料で別のテナントを誘致することはほとんど不可能である。百貨店が岐路に立たされている現状は、米国も同じで、強力なニッチを保持する他の小売り業者の挑戦に直面している。シンガポールの百貨店はたとえ良好な経営管理が行われているにしても、過当競争、高賃貸料、高い労働コスト、Sドル高等、多くの外的要因から前途は極めて厳しい。現在シンガポールには世界の如何なる都市よりも多い18の百貨店が存在し、これらの百貨店の大部分が赤字経営を強いられているが、その財政基盤はこうした状況を長期間維持できるほど強力でないため、遠からず1、2の店舗がクローズする見通しと言う。(ST:10/4)
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