【ムンバイ】インド最大の民間鉄鋼会社Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)が脱退を表明、インド鉄鋼連盟(ISA:Indian Steel Alliance)に亀裂が生じたもようだ。
ビジネス・スタンダードが9月15日消息筋の言として報じたところによると、Tiscoは既にISAに脱退の意思を伝えたとされるが、目下ドゥバイを訪問しているISAのMoosa Raza会頭は「そうしたことをまだ聞いていない」と語った。
消息筋によると、Tiscoが最近、鉄鋼価格をトン当たり2000ルピー引き下げたことが、ISA内にある種の軋轢を生じさせたようだ。Tiscoが去る8月22日、全ての鉄鋼製品価格を一律トン当たり2000ルピー引き下げると発表したことから、他の鉄鋼メーカーもやむなく追随、それぞれ値下げを発表した。Jindal Iron & Steel Company (Jisco)は熱間圧延(HR)コイル価格をトン当たり600ルピー、Essar SteelはやはりHRコイル価格を同560ルピー、Ispat Industriesは同500ルピー、Steel Authority of India (SAIL)とRashtriya Ispat Nigamは全ての製品をトン当たり一律1000ルピー、それぞれ引き下げた。
アナリストらによると、Tiscoは独自の鉄鉱山を有するため、他のメーカーに比べコスト面でゆとりが有るが、輸入原料に依存する他のメーカーは、深刻なマージンの下降を強いられたものと見られる。
ISAは、鉄鋼業界が抱える問題を、政府や顧客と討議するため、組織されたものでTiscoの他、SAIL、Jisco、Essar、Ispatが加盟している。ISAはそのメンバーを拡大する狙いからRashtriya Ispat Nigamにも加盟を働きかけていた。