SEAnews 2004-09-08 ArtNo.34098

【ムンバイ】Honda Motorcycles & Scooter India(HMSI)とスズキのモーターサイクル市場進出は、Bajaj Auto、Hero Honda、TVS等の既存プレーヤーに厳しい防衛戦を強いるものと見られる。
エコノミック・タイムズが9月6日報じたところによると、ＨＭＳＩは今月150ｃｃプレミアム・モーターサイクル“Unicorn”を発売、スズキは2006会計年度の市場参入を目指している。このため既存プレーヤーは新モデルや変形バージョンを続々投入、競争に備えている。
プレミアム・モーターサイクル市場では現在BajajのPulsarが65％、TVSのFieroが11％、Hero HondaのCBZが5％のシェアを占めている。
しかしマハラシュトラ州Mumbai拠点の証券会社アナリストは「ＨＭＳＩのスクーター市場における経営スタイルから見て、価格戦争を挑むとは考えられない。競争者が提供していない特徴を前面に掲げ、消費者の関心を掴む戦術を採用するものと見られる。また今年下半期に6000台、その後は1万台の月間販売目標から見て、既存プレーヤーの市場シェアにそれほど大きな変化は生じず、プレミアム・セグメントにおけるPulsarのリーダーシップも維持されるだろう」と予想した｡
今年初4ヶ月のPulsarの販売台数は9万3000台、月間平均23250台を記録したが、同アナリストによれば、Pulsarは引き続き月間2万2000－2万3000台の販売を維持できそうだ｡
HMSIは125ｃｃ以上のモーターサイクルの発売を通じ、未だ揺籃期のプレミアム・セグメントを先ず開拓、次いで姉妹会社Hero Hondaの製品とオーバーラップする100ｃｃモデルを投入する計画だ。ホンダはＨＭＳＩとHero Hondaを通じ、2007年までにインド二輪車市場の50％のシェアを手に入れることを目標に掲げている。ＨＭＳＩはインド二輪車市場に参入以来既にスクーター市場の35％、二輪車市場全体の5.8％のシェアを獲得している。この結果ＢＡＬはスクター市場におけるシェアの半ばを喪失、ＴＶＳもオートマチック・スクーター市場におけるシェアを下降させた。
既存プレーヤーは様々な特徴を備えた新モデルや変形バージョンを投入して、市場シェア確保に努めているが、業界観測筋は、新製品の発売ラッシュから見て何れのプレーヤーも圧倒的な市場シェアを獲得できない状況がここ暫く続くと予想した｡
ちなみに既存のトップ・スリー・プレーヤー、BAL、Hero Honda、TVSの合計市場シェアは過去10年間に68％から87％に拡大している。