【コルカタ】インド政府は、Indian Iron and Steel Company (Iisco)を親会社のSteel Authority of India Ltd (SAIL)に合併する方針を決めた。
ビジネス・スタンダード、エコノミック・タイムズ、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ザ・ヒンドウー、デカン・ヘラルドが9月1／2日伝えたところによると、西ベンガル州のBuddhadeb Bhattacharya首席大臣と会談後記者会見したRam Vilas Paswan鉄鋼相は以上の消息を語った｡それによるとSAILは今年2500クロー(US$5.41億)以上の利益を計上する見通しで、同社にとってIISCO買収は重荷にならない。IISCOが必要とするものは何でも与える。
この点に関してSAILスポークスマンは、「IISCOを合併することは原則的に決めている。しかし依然として産業財政再建局(BIFR:Board for Industrial and Financial Reconstruction)と閣議の承認を得る必要がある」と語った。同スポークスマンはさらに「西ベンガル州政府は、IISCOに対する州政府の各種認可を、BIFRにより認められた再建計画の下、後継組織が引き継ぐことを認めており、SAILがIISCOを合併後も州政府の認可は有効」と付言した。
1994年に不健全(sick)企業と認定されたIISCOの管財人代理に2002年6月に指名されたIndustrial Development Bank of India(IDBI)は、2003年にIISCOの再建パッケージを提出した。
一方、インド政府とSAILの間で1999年に合意された協定の下、IISCOは、SAILと戦略パートナーとの合弁会社に転換され、SAILはIISCOに対する少数権益を維持するはずだった。しかし戦略パートナーの候補として最後に残ったBHP-Mitsuiチームとロシア企業Tyazpromexportは、IISCOが保持する鉱山にのみ関心を示し、IISCOの鉄鋼プラントに興味を示さず、結局入札を見合わせた。
こうした中で西ベンガル州のBhattacharya首席大臣は最近Sajjan Jindalグループに接触、IISCO買収を働きかけていた。
業界観測筋は、「仮に他社がIISCOを買収すれば、SAILはIISCOの保持する優良鉱山を失うことになる。Chiria鉱山だけでも鉄分含有率62％の鉄鉱石20億トンを有し、Sukri鉱山の鉄鉱石の鉄分含有率は64－65％にのぼる。経営が改善したSAILは、単独でIISCOの鉱山を開発し、IISCOの鉄鋼プラントを近代化する資金力を備えている。加えてIISCOの経営自体も改善している」と指摘した。
昨年、売上げ1051.26クロー(US$2.27億)、純益27.09クロー(US$586万)を計上したIISCOの2004年8月1日時点の従業員数は1万5753人。