【ブーバネスワル】三井物産はオリッサ州に年産500万トンの鉄鋼プラントを設ける可能性を検討している。
ビジネス・スタンダードが9月1日報じたところによると、インド産業連盟(CII:Confederation of Indian Industry)がオリッサ州Bhubaneswarで主催した『東部インドを鉱物・金属のグローバル・ハブに』と題するセミナーの会場で、Mitsui & Co India Pvt Ltdの宮地隆夫会長は同紙に以上の計画を語った。
それによるとプロジェクトの実行が決まれば、三井物産の姉妹会社により開発された非コークス用炭を燃料とする新技術を採用する。これにより目下、インド国内の鉄鋼会社が直面するコークス用炭不足に対処できるだけでなく、コスト効率を高めることもできる。ちなみに三井物産は51%出資するSesa Goa Ltdを通じ、オリッサ州Keonjhar県Thakurani地区の鉱業リース権を保持している。
プロジェクト・コストはまだ見積もっていないが、新技術を用いるためトン当たり20クローの業界平均コストを下回るものと予想される。とは言え、内外の鉄鋼企業がオリッサ州に殺到する現在のラッシュに便乗する考えはなく、状況をじっくり観望した上、最終方針を決める。何故なら鉄鋼ビジネスには好不況の波が有り、新プロジェクトのための十分な需要が存在するか否かも確認せねばならない。とは言え、鉄鋼及び新素材取引は三井物産の中核ビジネスであり、鉄鋼ビジネスの拡張は2006年までに年商1000億円を目指す同社の優先課題の1つでもあると言う。