SEAnews 1995-10-04 ArtNo.3401

【シンガポール】小売りスペースの供給過剰現象が今後域内各所に出現するものと予想され、目下ショッピング・センターの開発を手掛けるデベロッパーらは、損失を被る恐れが有る。
ショッピング・センター国際委員会(ICSC)が2日サンテク・シティーで開催した第3回アジア太平洋地域年次会議の席上、米国拠点ブルキング研究所のアンソニー・ダウンズ上級会員は以上のように警鐘した。それによるとジャカルタでは今年と来年、小売りスペースの各74％(540万平方ﾌｨｰﾄ)の増加が見込まれ、また昨年39％(670万平方ﾌｨｰﾄ)の拡大を見たバンコクの近代的小売りスペースは今年も750万平方フィートの拡大が予想される。過去2年間に近代的小売りスペースが75％拡大したクアラルンプルでも、クアラルンプル・シティー・センター(100万平方ﾌｨｰﾄ)、ミッド・バリー・シティー(170万平方ﾌｨｰﾄ)、クラン・バリー・プラザ(78万平方ﾌｨｰﾄ)、クアラルンプル・セントラル(100万平方ﾌｨｰﾄ)と言った大型プロジェクトがひしめいている。こうした過剰供給は向こう数年にわたり持続する見通しで、経済成長に伴う農村部からのショッパー流入を期待できないシンガポールの小売り業界が最も深刻な打撃を受ける恐れが有るという。(ST:10/3)