2004-07-14 ArtNo.33752
◆Tata Steel、自動車用鋼材市場の60%シェア目指す
【チェンナイ】インド自動車用鋼材市場の25%のシェアを握るTata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)は、2009年までに同シェアを60%以上に拡大する計画だ。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが7月11日、TiscoのB. Muthuraman重役(MD)の言として報じたところによると、240万トン設備拡張計画完了後、Tiscoは2009年末までに自動車相手先商標製造業者(OEM)市場の60%のシェアを占めることになる。自動車業界の予想からすれば、インドの乗用車市場規模は2010年までに200万台以上に拡大する。したがってTiscoはその時には乗用車100万台分以上の鋼材を供給することになる。
以上の目標を実現するためTiscoはジャールカンド州Jamshedpur工場の製造工程に調整を加え、鋳造機の1つを垂直型に転換、オンライン熔削装置(Scarfing Machine)を導入するとともに、サプライ・チェーン管理も改善する。
こうした調整を行わない限り自動車産業に鋼材を供給することはできない。乗用車産業の要求は厳しく、国内鉄鋼メーカーの中にはまだこうした要求に応じられるものがない。鉄鋼メーカーが自動車産業に鋼材を納入する際には、通常5-6年の準備期間を必要とする。これは自動車産業の文化に通じ、その種のニーズに応じる研究開発(R&D)能力も備えねばならないため。現在、世界的に12社乃至13社が自動車産業に鋼材を納入している。
一方、Tiscoは国際化戦略の一環として世界の異なる地域に鉄鋼製品の仕上げ設備を設ける。インドは中国よりも低コストな鉄鋼製造拠点で、中国の生産コストはインドのそれをトン当たり50米ドルほど上回る。Tiscoはインド国内で半完成品を製造、中国、ベトナム、フィリピン、タイで完成品に仕上げる。この種の国における基礎構造はハイ・コストで、半完成品を完成品に仕上げる作業は非労働集約的である。このためTiscoは以上の戦略を通じ高いマージンを実現できる。
Tiscoが最近初めて買収した海外企業、スリランカのMasconについてMuthuraman氏は、「Masconのプラントの1つを拡張するとともに、線材製造施設を増設、他の東南アジア地域に進出する拠点にする可能性を検討している」と語った。
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