1995-01-30 ArtNo.337
◆<星>民間住宅ブーム、昨年第4四半期に急速に冷却
【シンガポール】昨年ブームを呼んだ民間住宅市場は第4四半期に入って急速に冷却化した。
都市再開発局(URA)が27日に発表した不動産価格指数によれば、民間住宅価格は昨年通年で前年比42.2%の上昇を見、一昨年の上昇率36.3%を上回った。しかし昨年第4四半期に限っては前期比2.3%の上昇にとどまり、第3四半期の11.6%から顕著に減速した。また昨年通年に取引された民間住宅戸数も1万3674戸と、前年の1万5493戸を下回った。 市況の冷却は民間住宅各部門に共通しているが、特に土地付き住宅に顕著に現れている。一戸建て住宅価格は昨年通年では各部門最大の65.8%の値上がりを見、第1/第2/第3四半期にもそれぞれ14.3%/21.7%/18.1%の上昇を見た。しかし、第4四半期は0.9%の上昇にとどまっている。またセミディタッチに至っては第4四半期に1.1%の値下がりを記録した。同部門は通年では40.7%、第1/第2/第3四半期には各12.2%/7.4%/17.9%の値上がりを見た。テラスハウスの通年の値上がり率は43.2%、第1/第2/第3/第4四半期のそれは11.6%/9.8%/14.7%/1.8%。コンドミニアムの通年の値上がり率は38.4%、第1/第2/第3/第4四半期のそれは5.8%/18.7%/5.2%/4.7%となっている。アナリストは「過去2年間急上昇を続けてきた民間土地付き住宅の価格はピークに達し、公共住宅(HDBフラット)から民間住宅への転向者に支えられているテラスハウスを除き、多少値下がりが生じる可能性が有る。しかし絶対量が限られているため、大幅な値下がりが生じることはない。コンドミニアムについては今年上半期中は値下がりはないだろう」とコメントしている。また別の観測者は昨年11月の米国連邦準備銀行の金利引き上げに伴うローン・コストの上昇が市況冷却の一因と見、今週に予想される連銀の一層の金利引き上げで、更に市況が冷え込む可能性を指摘している。(ST,BT,LZ:1/28)
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