【ムンバイ】中国が短期間の小康の後、鉄鋼製品の輸入を間もなく再開するものと予想されることから、国際市場における鉄鋼価格は上昇に転じており、インド国内市場でも間もなく値上がりが生じる見通しだ。
エコノミック・タイムズが6月26日伝えたところによると、中国における熱間圧延(HR)コイルのトン当たり価格は6月18日の430-450米ドルから現在の480-500米ドルに上昇した。
インドの業界関係者らは、国際価格の上昇は国内価格上昇の引き金になるか、少なくとも現在の水準維持に寄与すると見ている。
インド国内の鋼板価格は、今年3月に鉄鋼メーカーと政府の間にHR鋼のトン当たり価格を2万6000ルピーに凍結すると言う非公式な合意が成立して以来、変化していない。インドの2大鉄鋼会社Tata Iron and Steel Company Ltd (Tisco)とSteel Authority of India Ltd(Sail)は、これまでのところ値上げを行っていない。某アナリストは「米国と欧州の鉄鋼市況も堅調の度を増しており、鉄鋼市況の見通しは中期的に極めて良好」と述べている。
国際鉄鋼協会(IISI:International Iron and Steel Institute)はカレンダー・イヤー2004年の鉄鋼需要が、昨年の8億6400万トンを5300万トン以上上回ると予想している。先のアナリストは「世界的な鉄鋼需要の6.2%の伸びから見て、主要市場の価格も高水準を維持するだろう」と予想した。
米国のHRコイル輸入価格はトン当たり600-605米ドル、欧州メーカーの輸出価格は同560-580米ドル、低品質な独立国家共同体(CIS)諸国の鉄鋼価格も同560米ドル、トルコの輸出価格も同560米ドルとなっている。
こうした中でインド鉄鋼銘柄の株価も上昇している。亜鉛メッキ平板/波板(GP/GC sheet)製品の75%以上を輸出しているJindal Iron and Steel (Jisco)の先週金曜の終値は前日に比べ8.5%アップした。GP/GCシートのトン当たり価格は欧州では720米ドル、米国では780米ドルとなっている。この日SAILの株価は15.2%上昇した。