2004-06-11 ArtNo.33533
◆鉄鋼年産6千万トン、必要投資額US$165億:ISA
【ムンバイ】インド鉄鋼産業が2010-12年までに年間生産量を現在の3500万トンから6000万トンに拡大するには、7万5000クロー(US$165.56億)の投資を必要とする。
インディアン・エクスプレスとザ・ヒンドゥーが6月8日伝えたところによると、インド鉄鋼連盟(ISA:Indian Steel Alliance)のJJ Irani会長は7日記者会見し、以上の見通しを語った。それによると政府が提起した年産6000万トンの目標を実現するには新たに2500万トンの設備能力を追加せねばならないが、100万トンの設備能力を追加するだけで3000クロー(US$6.62億)の投資を必要とする。インフラ産業、耐久消費財、自動車産業等の拡大する需要に応じるために2010-12年までに国内の生産能力を年間6000万トンに引き上げることは可能で、必要資金は鉄鋼各社の内部留保金等により賄える。
ISAのMoosa Raza会頭によると、2002年12月以来鉄鋼産業のインプット・コストは急騰し、コークスは317%、屑鉄は173%、銑鉄は218%、鉄鉱石は292%、運送料は344%上昇した。実際のところ同期間に鉄鋼の国内価格は下降し、最近やっと回復に転じたばかりである。国内鉄鋼メーカーが製品を輸出するのは、輸出価格が国内価格を上回るからに過ぎず、その実ISAメンバーによる輸出は過去2年間に僅か2%増加したに過ぎない。
Ispat Industries Ltd(IIL)のVinod Mittal重役(MD)によると、原料供給の逼迫、不十分なインフラ、高い基礎費用(電力料等)、高水準な資本コスト、先進国の関税・非関税障壁等、鉄鋼産業が直面する問題を克服するには、政府の安定した鉄鋼政策が求められる。
Raza会頭によると昨年だけで2000万トンの年産能力を追加した中国の鉄鋼産業は過去5-7年順調に成長して来た。しかし来年以降、その成長率は9.1%から8.2%に鈍化、その後は7%前後の水準を維持するものと見られる。
Irani会長によれば、昨年2月以降、ユーザー業界から鉄鋼値上げに対する批判の声が高まり、政府の介入によりメーカー側は2004年6月まで熱間圧延コイルのトン当たり価格を2万5000ルピーに固定することを認めた。6月を迎えた今、メーカーは自らの判断で価格を設定できる。
ISAは、原料供給を確保するための資源開発、インフラの整備、低コスト資金へのアクセス確保、市場メカニズムを通じた鉄鋼価格の設定、昨年3月に停止された関税免除パスブック(DEPB:duty exemption passbook)スキーム便宜の復活、15%の輸入関税と8%の消費税水準の維持、欠陥鋼材輸入の制限を政府に提案したと言う。
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