【バンガロール】米国におけるアウトソーシングに対する逆風に関わらず、インドの2003-04年の情報技術(IT)製品及びサービス/情報技術対応サービス(ITES)/ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)輸出は125億米ドルと、前年の96億米ドルに比べ30.5%成長した。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、デカン・ヘラルド、インディアン・エクスプレスが6月3/4日、ソフトウェア・サービス会社全国協会(NASSCOM:National Association of Software and Service Companies)のレポートを引用し伝えたところによると、昨年のITサービス輸出は前年比25%増の89億米ドル、ITES-BPO輸出は同46%増の36億米ドルを記録した。
今年(2004-05)のソフトウェア及びサービス売上げは200億米ドルの大台を突破する見通しで、その内訳は、ITサービス及び製品輸出が112億米ドル、ITES-BPO輸出が51億米ドルをマークするものと見られる。
NasscomのJerry Rao会長によると、世界的なIT支出の鈍化、主要市場における失業率の上昇、ルピー相場の強化等、少なからぬ問題が存在するものの、インドのIT産業は依然成長の弾みを維持している。2003-04年はIT市況の落ち込み後、最良の年になった。米国におけるIT支出は復調し、中小企業やスタートアップ企業を含め、全てのセグメントが堅調な成長を記録した。
NasscomのKiran Karnik会頭によると、伝統市場の米国および英国に加え、日本、ドイツ、フランス市場にも市況を牽引する潮流が生じた。依然としてインドのソフトウェア輸出の70%は米国向けで、英国向けが15%を占めたが、輸出相手国は112ヵ国にのぼり、多くの新市場が加わった。
インドIT産業は2003-04年に新たに10万人分以上の就業機会を創出、就業者総数は81万人に達した。新規就業機会の内訳はITES-BPO部門が6万5000人、ソフトウェア及びサービス部門が4万人で、取り分け地元IT企業は、多国籍IT企業以上に積極的に雇用を拡大した。
2003-04年第2四半期以降、値下がり圧力は緩和し、課金レート(billing rate)も安定したと言う。