2004-05-21 ArtNo.33413
◆大統領、Manmohan Singh氏を次期政権の首班に指名
【ニューデリー】インドの経済改革プログラムを立案し、1991年7月に当時の国民会議派(Indian National Congress)政権の蔵相として経済自由化政策を実行に移したことで知られるManmohan Singh氏(71)が19日、A.P.J. Abdul Kalam大統領から首班に指名され、組閣の任を委ねられた。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、デカン・ヘラルドが5月20日報じたところによると、次期首相就任を辞退した国民会議派党首Sonia Gandhi女史に翻意を促す最後の努力が失敗した後、マンモハン・シン氏は国民会議派国会上下両院議員のリーダーに選ばれた。その後、シン氏はガンディ女史とともにカラム大統領と会見、大統領はシン氏を次期政権の首班に指名した。シン氏は上院議員の議長を、ガンディ女史は引き続き国民会議派の党首と国民会議派下院議員の議長を務める。
国民会議派は党綱領を修正し、国会両院国民会議派議員の議長の職を新設した。同議長は首相の座を争う両院議員のリーダーを推薦する。アナリストらは権力の2極化、あるいは院政が生じる可能性を指摘するが、このほどウッタルプラデシュ州Amethi(Sanjay Gandhi/Rajiv Gandhi両氏の元地盤)で当選を果たしたガンディ女史の子息Rahul Gandhi氏はこうした可能性を否定した。
大統領府が19日に発表した声明によれば、カラム大統領は、シン氏により提出された書簡から、国民会議派に率いられる連合が第14次国会下院の過半数を占め、安定した新政府を組織できるものと判断、マンモハン・シン氏を首相に指名した。大統領は、新首相が指定する日に閣僚宣誓式を主宰することができるよう、シン氏に新政府の閣僚名簿を提出するよう求めたと言う。
シーク教徒で、インド初の非ヒンドゥー教徒の首相になることになったシン氏は中央銀行総裁(1982/9-1985/1)、計画委員会(Planning Commission)副議長(1985/1-1987/7)、蔵相(1991/2-1996/5)を歴任した経済通として知られる。政界観測筋によると、Rajiv Gandhi元首相の命日に当たる5月21日に就任式が行われる可能性は少ないため、新政権は22日か23日に正式に発足するものと見られる。
インド人民党(BJP)の支配に反対する諸政党の支持を背景にシン氏は、国会下院539議席中安定多数の325議席近くを確保することができる見通しだ。国民会議派や連立政権パートナーのRJD(Rashtrya Janata Dal)20議席/ドラビダ進歩同盟(DMK)16議席/民族会議党(NCP)9議席の他、左派戦線(Left Front)61議席と社会党(Samajwadi Party)36議席が閣外協力する見通しだ。
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