【ニューデリー】Steel Authority of India Ltd (SAIL)は、高炉への原料供給を確保する狙いから海綿鉄工場を設ける可能性を検討している。
ビジネス・スタンダードが5月11日伝えたところによると、SAILのV S Jain会長は同紙に以上の消息を語った。それによると海綿鉄工場建設計画は、競争力の維持と財政健全化の一環で、SAILは独自の鉄鉱山を保持するため、海綿鉄工場を設けるなら低コストの原料を確保できる。このためエンジニアリング・コンサルティング会社Metallurgical & Engineering Consultants India Ltd(Mecon)に事業化調査レポートの作成を委ねた。
石炭供給の逼迫からBhilai plantでは石炭に代えて燃料油(furnace oil)を試験的に使用しているが、結果は良好だ。この他、Bhilai/Bokaro/Durgapur/Rourkelaの各工場ではコールタールの使用を開始した。
現在の石炭不足はオーストラリアの鉱山が洪水の被害を被ったことに端を発したものだが、SAILは今後こうした状況が再発した際、今回の経験を生かすことができるため、長期的に災いを転じて福と成すこともできる。スポット市場でどれほどの石炭を購入するか、あるいは代替品を用いるかは、商業的観点から判断せねばならない。
一方、SAIL取締役会は年産能力を800万トンから2011-12年までに2000万トンに拡大することを承認したと言う。