【ニューデリー】これまで小売市場で激戦を展開して来たカラー・テレビジョン(CTV)メーカーが、法人市場の開拓に重心をシフトしつつある。
ビジネス・スタンダードが5月10日報じたところによると、LG Electronics IndiaはTajグループのホテル・チェーンにプラズマ・ディスプレー・パネル(PDP)付きホーム・シアター・システムの売り込みを図かっており、同社は既にタミールナド州Chennaiの鉄道駅にPDP25セットを販売している。
Philips Indiaは最近、30インチのMirror TVを11万5000-26万5000ルピーで発売した。Philipsは決して平均的なインド人家庭をターゲットにしている訳ではなく、ブームを呼ぶホスピタリティー産業に鏡としても利用できる斬新なミラーTVの売り込みを目指している。Philipsは既に同市場の40%のシェアを保持すると自称している。
消費者用電子/TV製造業者協会(CETMA:Consumer Electronics and TV Manufacturers Association)のデータによれば、昨年は850万台のTVが製造された。また市場調査会社ORG-GFKの統計によれば、カレンダー・イヤー2003年には700万台、額にして7464クロー(US$17.06億)のCTVが販売された。メーカーらは今年は800万台のTVが販売されるものと予想している。法人や組織が何台のTVを購入したか、正確な数字は存在しないが、TV業界では20万台乃至45万台、あるいはそれ以上と予想されている。仮に50万台が販売されたにしても、全体の5%に過ぎないが、法人市場は20%の成長が予想されており、小売市場の8%の伸びを遙かに上回る。例えば、Philips Indiaは昨年、法人や組織向けに135クロー(US$3085万)のTVを販売、今年は150クロー(US$3428万)の売上げを見込んでいる。
Samsung India ElectronicsのRavinder Zutshi取締役(マーケッティング担当)によると、同社の3700クロー(US$8.456億)の営業額中3-4%が法人売上げで占められ、今年は100%の成長が見込まれると言う。
Philips India消費者用電子部門のP T N Charlu重役(B2B担当GM)は、B2Bビジネスのマージンは極めて薄いが、ブランディングの面で計り知れないメリットが有ると語る。
TVメーカーらは、法人市場への進出ラッシュの原因として、続々誕生する新ホテルやモール、企業や銀行の支店/オフィス増設ブームを指摘する。LG Electronics IndiaのC M Singh主任(CTV製品担当)は、「多くのホテルが、従来型TVを最先端のモデルに転換している」と指摘した。