SEAnews 2004-05-10 ArtNo.33342

【ブーバネスワル】インド国内の大部分の火力発電所は発電用石炭(non-coking power grade coal)の深刻な不足に直面している。
ビジネス・スタンダードが5月7日報じたところによると、とは言え電力供給は選挙キャンペーンの主要課題でも有ることから各発電所は、選挙期間中は安定した電力供給を維持するよう求められたとされる。Mahanadi Coalfield Ltd(MCL)のBM Nag会長兼ＭＤ及びP Mehta重役(GM)によると、全国に存在する75の火力発電所の内32は危機的リストに名を連ねており、石炭在庫が1週間分を割り込んでいる。こうした石炭不足発電所の大部分は中部と北部、取り分けラジャスタン州、マドヤプラデシュ州、チャッティースガル州、デリーに集中している｡大部分の火力発電所がここ2、3ヶ月そろって稼働率を高めたこともあって発電用炭の需要が急増した。
Coal India Ltd (CIL)が2003－04年に生産した3億400万トンの石炭の内、90％に相当する2億7000万トンを火力発電所とキャプティブ発電所が消費、火力発電所の消費量だけで2億1000万トンにのぼった。2003－04年の需要は前年を10－15％上回った｡発電用炭の30％はSouth Eastern Coalfields Ltd (SECL)が供給、ＭＣＬは全体の22％を供給している。
火力発電所の需要急増で、セメント／海綿鉄／紙等、他のユーザー業界に対する石炭供給は一層逼迫した。オリッサ州の海綿鉄業者は、「ＭＣＬは電力会社以外からの注文を断り、手付け金の受け取りも拒否している」と不満を訴えた。National Aluminium Company Ltd(Nalco)もＭＣＬに対し312レーキ(rake)の石炭を注文したにも関わらず、2003－04年を通じて納入されたのは292レーキにとどまった。Nalcoオフィシャルによると、取り分けオリッサ州Damanjodiのプラントは操業困難に陥っている。
Nag氏によれば、オリッサ州Talcherにおける石炭生産は全量予約済みだが、同州Ib Valleyにストックされた210万トンの石炭は鉄道レーキが不足し、出荷できない状況にある。Ib Valleyでは1日平均15レーキを必要とするが、利用できるのは1日平均8レーキに過ぎない。鉄道会社は近く十分なレーキを配分すると約束していると言う。