1995-09-28 ArtNo.3333
◆<馬>首相、英国の機関投資家に自由化パッケージ披露
【ロンドン】マハティール首相は26日にロンドンの市長公邸で催されたクアラルンプル証取(KLSE)ロードーショーの席上、約80人のブローカーやファンド・マネージャーを前に18項目の自由化パッケージを披露、KLSEへの投資を呼びかけた。
同パッケージには1000億Mドルの資金を保持する被雇用者積立基金(EPF)の資本市場参加の拡大、証券仲買業務コスト低減を目指す累進手数料制の導入、インフラ事業の上場、外国ファンド・マネージメント会社の国内における100%の基金運用許可が含まれる。今年末には株式のオプション取引や指数先物取引を手掛けるKLオプション・金融先物取引所(KLOFFE)及び金利先物取引を手掛けるマレーシア金融取引所(MME)も開設される。またラブアン島に国際証券取引所及び金融取引所を設ける計画も進んでいる。KLSEは既にシンガポール証取(SES)やタイ証取を追い越し、東南アジア最大の資本市場となっており、その実マレーシア銘柄の場外取引を除けば、SESは最早無視し得る存在となっている。KLSEのスクリップレス化に伴いシンガポール側も対策を模索しているが、KLSEの新体制に適応する体制が整えば、マレーシア側も協調する用意が有ると言う。
今後SESにおけるマレーシア銘柄の取引が減り、KLSEの取引がその分拡大するか否かについては、ロードショー出席者の意見はまちまちで、「それは価格、手数料、流動性の如何で、もしKLSEにおける条件がSESより魅力的なら、国際投資家はKLSEに移動する」、「仮にシンガポールにおけるマレーシア銘柄の取引が縮小すれば、KLSEの鞘取り売買も縮小する」、「国際投資家がKLSEを通じてマレーシア銘柄に直接投資するようになるのは避けられず、SESはタイや中国銘柄等の上場を促し、リージョナル・センターとしての道を探るべきだ」と言った意見が聞かれた。しかしラブアン島に国際金融市場及び資本市場を設ける案については懐疑的意見が目立った。(ST,BT,STAR:9/27)
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