2004-05-07 ArtNo.33323
◆鉄鋼メーカー、中国の貿易規制で米国/欧州に重心シフト
【コルカタ】インド国内の鉄鋼メーカーは、既に米国や欧州等、より高収益が望める市場に輸出先を転換しており、中国経済のスローダウンによりそれほど狼狽していない。
ビジネス・スタンダードが5月4日伝えたところによると、Ispat Industriesオフィシャルは、「米国/欧州/中東における価格は、今や中国のそれを遙かに上回っている」と指摘した。それによると、亜鉛メッキ製品のトン当たり価格は中国では700米ドル、米国では750-825米ドル、熱間圧延コイル(HRC)は、中国では同530米ドル、欧州では同580-620米ドルとなっている。
Jindal Iron and Steel CoのRaman Madhok重役(副MD)も、「中国市場における価格が軟化したこともあり、中国向け輸出は最早それほど大きな額をなしていない。亜鉛メッキ製品の中国と米国市場の価格差はトン当たり50-75米ドルにのぼる」と語った。
Essar Steel幹部によると、中国当局がインドからの鉄鋼輸入を規制して後、主要メーカーは中国への依存を段階的に縮小、中東、東南アジア、欧州等へ輸出先を転換して来た。米国の反ダンピング規制の経験からもインド鉄鋼メーカーは輸出先の多角化を図っていると言う。
とは言え大部分の鉄鋼メジャーは、中国における需要の軟化は一時的なもので、同国は依然として大量の鋼材輸入に依存せざるを得ないと見ている。ちなみに中国鉄鋼協会(CISA:China Iron and Steel Association)は2004年12月期年度の鉄鋼輸入量を3000万トンと見積もっている。
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